日韓の「腕比べ」でASEANにも損害か?

人民網日本語版 2019年08月26日10:34

日本が輸出管理制度の中で優遇措置の対象となる「ホワイト国」から韓国を除外すると決定したことを受けて、韓国はこのほど新たな対抗措置を取り、日本から輸入する廃棄物の放射能検査を強化すると発表した。北京の学者は、「日韓の貿易紛争が引き続きヒートアップしていくと、ASEAN諸国の経済にも新たな挑戦をもたらす可能性がある」との見方を示した。中国新聞社が伝えた。

韓国環境部はこのほど、輸入量が多い廃棄物の品目について環境のための安全管理を強化し、具体的には日本から輸入した廃バッテリー、廃タイヤ、廃プラスチックの放射性物質検査及び重金属検査を強化することが含まれるとした。

公式のデータによると、韓国は昨年、日本から廃バッテリーを7万1千トン輸入し、同期の韓国の廃バッテリー輸入全体の15%を占めた。廃プラは6万6千トンで38%だった。韓国は今回の措置を「輸入廃棄物の放射性物質に対する国民の懸念」を踏まえてのことというが、韓国メディアの多くは日本の経済的報復行為に対する対抗措置であるとの見方を示す。

しかし日本は韓国の対抗措置を受けて「変心する」ことはなく、それどころかさらに強硬な態度に出ている。日本紙「日本経済新聞」の報道では、韓国が最高裁判所の元徴用工訴訟での判決に基づいて、引き続き日本企業の資産の売却を進めていこうとするなら、日本は「必ず対抗措置を取る」。日本は目下、韓国の環太平洋パートナーシップ協定(TPP)入りを拒否することを検討中という。

中国社会科学院日本研究所の楊伯江所長は、「日韓はともに貿易立国であり、貿易紛争が無限に拡大することはあり得ず、日本が参議院選挙の後で韓国への態度を軟化する可能性はあった。しかし日韓の問題が歴史的な怨恨、領土紛争、国と地域の政策の方向性などに関わって複雑に入り組んだもので、解決が難しいことを考えると、両国間の摩擦がそう簡単に収まるとは思えず、両国関係が短期間で大きく改善することは非常に難しいといえる」と述べた。

外交学院国際関係研究所の周永生教授も、「日韓のこのたびの貿易紛争は両国の長年にわたる歴史問題や領土問題が積み重なって勃発したもので、しばらくは両国関係が好転する可能性は低い」と述べた。

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