「大唐女団」のフィギュア
近年、中国の博物館が所蔵品などをモチーフにした文化クリエイティブグッズを打ち出して大ヒットし、歴史・文化の分野の新たな「ネット上の人気者」となっている。北京日報が報じた。
博物館のバラエティーに富む数々の文化クリエイティブグッズが、18日に開催された第1回天猫新文化クリエイティブ大会で披露された。清華大学文化経済研究院とオンラインショッピングモール・天猫(Tmall)が共同で発表した「新文化クリエイティブ消費動向報告」によると、過去1年、ショッピングサイト・淘宝と天猫だけでも、博物館の旗艦店のアクセス回数が延べ16億回を超えた。中国全土の博物館来場者数の1.5倍に当たる数だ。ECプラットフォームと連携して、博物館の文化クリエイティブグッズの若者ファン獲得加速を推進し、さらには歴史・文化の継承を後押ししている。
「599歳」になる故宮のファンの多くは「90後」
清の第6代皇帝・乾隆帝と、中国明代に活躍した文人・唐伯虎のどちらが天猫での集客力が高いのだろう?その答えは乾隆帝で、その販売量は唐伯虎の10倍だ。どちらにしても、そこに反映されているのは、乾隆帝と唐伯虎のお金になる文化クリエイティブグッズ・モチーフとしての実力の違いだ。
故宮は早くも2010年10月に、淘宝で関連グッズのオンライン販売を始めた。当初販売されていた商品は観光スポットのお土産とそう変わらず、値段も高く、クオリティもそれほど高くなく、新鮮味もなかった。しかし、13年ごろになって、故宮は淘宝で、かわいらしいグッズを販売するようになり、そこから各種文化クリエイティブグッズが大ヒットするようになった。そして、他の博物館も次々と故宮のスタイルを参考にして文化クリエイティブを打ち出すようになり、多くの博物館がかわいいグッズをオンライン販売するようになった。
所蔵している文化財「唐粉彩仕女俑」をモチーフにし、中国の水墨画の手法を採用して、陝西歴史博物館がデザインして打ち出した「唐◆」(◆は女へんに丑)シリーズのグッズは、ほんわかした雰囲気でかわいらしい。同じく唐代の官女をモチーフにして、文化博物番組「国家宝藏(NATIONAL TREASURE)」が打ち出した「大唐女団」のフィギュアもとてもユニーク。官女たちが自撮りをしたり、ショッピングをしたり、ボクシングをしたりしている姿を見ると、古代の官女が現代社会に溶け込んでいるように感じる。
故宮は今年「599歳」を迎え、頤和園は「269歳」、英国の大英博物館は「266歳」だ。しかし、これらの歴史ある博物館はECプラットフォームを活用するようになって以降、「若返り」を実現しており、たくさんの若者のファンも獲得した。「新文化クリエイティブ消費動向報告」によると、過去1年、淘宝と天猫だけでも、博物館の旗艦店のアクセス回数が延べ16億回を超えた。中国全土の博物館来場者数の1.5倍に当たる数だ。そして、アクセス者のうち1億人が「90後(1990年代生まれ)」だった。