アップル新製品発表会 ライバルに珍しくファーウェイを「指名」

人民網日本語版 2019年09月12日16:13

海外メディアによると、米アップル社は現地時間の9月10日に新製品発表会を行った。メディアが注目したのは、アップルが今回は珍しく華為(ファーウェイ)との比較を行った点だ。アップルのよれば、新たに搭載した「A13バイオニック」チップはスマートフォンでは最速のCPU(中央演算処理装置)でありGPU(グラフィックスプロセッシングユニット)で、ライバル社の製品を大きく引き離している。そうしてアップルが「ライバルリスト」に並べたのは、サムスン、ファーウェイ、グーグルの各社だった。ただ、「iPhone」(アイフォーン)新製品に5G対応モデルはなかった。「参考消息報」が伝えた。

▽「アップルにもアップルのやり方がある」

米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」(電子版)は今月11日付報道で、「現地時間の9月10日、アップルはアイフォーン新製品3機種を発表し、それぞれカメラの数を増やし、バッテリーの持続時間が長くなった。アップルはおなじみの機能のバージョンアップ、2種類の低価格コンテンツサービスに力を入れて、勢いが弱まった端末の販売を活性化しようとしている」と伝えた。

スティーブ・ジョブズ・シアターで行われた重要製品発表会で、アップルは故スティーブ・ジョブズ氏が12年前に生み出した旗艦製品の説明に多くの時間を費やした。新発売の「iPhone11」(アイフォーン11)は外観にそれほど変化はなく、標準的機能がバージョンアップし、たとえばバッテリー持続時間が長くなったり、新しいカラーが加わったりしたほか、より革新的な機能として暗いところでもきれいな写真が撮れる夜間撮影モード、カメラのシャッターボタンを長押しするだけで動画が撮影できる機能なども加わった。

報道によると、アップルはスマートウォッチの新製品も発表し、バッテリーの持続時間がより長くなり、ディスプレーの常時表示が可能になった。また有料動画サービス「アップルTVプラス」と有料ゲームサービス「アップル・アーケード」も発表し、どちらも料金はライバル他社のものより大幅に安い。

また、ロイター通信の10日付報道によれば、ファーウェイとサムスンを含むライバルはすでに背面にトリプルカメラを搭載したスマホを発売している。価格面で、アップルはこれまで消費者が携帯電話にいくらまで出せるかの限界に挑戦してきたが、今回は譲歩し、旧モデルでは新モデルと比べると、大幅な値下げを打ち出した。アナリストは、「消費者は引き続きカメラを重視している。これが過去数年間にサムスンとファーウェイが思いがけずに優位に立った原因だ。アップルは真っ向勝負でライバルに追いつこうとしているが、アップルにもアップルのやり方があり、特にカメラの動画撮影機能では、優位に立つようになると確信する」と述べた。

▽ファーウェイを主要ライバルの一つとみなす

一部のメディアによると、アップルは徐々にファーウェイを主要なライバルの一つとみなすようになってきたという。

日本紙「日本経済新聞」(電子版)が伝えたところでは、米アップル社は早ければ20年春にアイフォーンの廉価版の新製品を打ち出す予定だ。有機ELディスプレーよりも安価な液晶パネルを採用し、最新機種よりも画面は小さくなる。アップルに優位性がある高級機種は販売量が減少しており、アップルは廉価版アイフォーンによってファーウェイなど各メーカーの製品に対抗したい考えだ。

報道の説明では、アイフォーンが直面する環境は日々厳しさが増している。世界最大のスマホ市場の中国では販売量が振るわず、世界全体でも販売量の減少が続く。米調査会社インターネットデータセンター(IDC)がまとめた統計をみると、19年4-6月のスマホ世界シェアでアイフォーンは10%を占めて3位になり、サムスンとファーウェイの後塵を拝した。

▽中国市場を非常に重視

分析によると、中国では熾烈な競争になる可能性があるにもかかわらず、それでもアップルは引き続き中国市場を非常に重視しているという。

また、ロイター通信の9日付報道によれば、米ウォール街のアナリストの一部が同日、「既存ユーザーの買替え需要により、アップルのアイフォーン最新機種の販売量は2億台に達する可能性がある。大部分は中国での需要だ」との見方を示した。

報道が紹介したアナリストの見方では、「買い換え周期が来るため、買い換え需要は今後12ヶ月以内にアイフォーン約1億8千万台の販売量に転化し、中国では約6千万人から約7千万人の消費者が買い換えの時期を迎える」という。

一部のアナリストは、「アップルは現在、世界に約9億台の現役のアイフォーンを擁し、「iPhoneX」(アイフォーンテン)は17年の発売以来、販売が振るわず、相対的に厳格な価格のコントロールも行われていたので、これまで買い換えを拒否してきたユーザーの買替え需要を喚起する可能性がある」との見方を示す。バンク・オブ・アメリカのアナリストは、「こうした旧モデルが買い換えによりバージョンアップする可能性があり、2020年度はアイフォーンの『旧モデルから新モデルへの買い換え』の時期を迎え、21年度は5G端末の時期を迎えるだろう」と予想する。

報道によると、アップルの今年の中国販売量は増加する見込みで、これは主にオンライン小売業者が打ち出すアイフォーン割引きキャンペーンが牽引するものだという。バンカメのアナリストは、「アップルが『iPhone XR』(アイフォーン・テン・アール)の中国における販売価格を引き下げ調整すると、需要に大きな弾みが出る。アップルは一部機種の価格を引き下げる可能性があると予想する」と述べる。(編集KS)

「人民網日本語版」2019年9月12日

  

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