経済効果6600億円のくまモンはどうやって生まれたか (2)

人民網日本語版 2019年09月20日09:17

水野さんはデザインの過程を振り返って、「熊本県は県名に『熊』の字があり、代表的建築物の熊本城の主体建築物は黒い色をしている。そこでキャラクターの外観は『黒熊』に決まった。また熊本県の位置する九州地方は、頑丈な体の男性が多いことでよく知られており、火山もよく噴火するので、くまモンの見た目は大きくて強そうにし、真っ赤なほっぺたにかわいらしさを残した。くまモンのママというのには別の意味もあって、『生んだ』後は、熊本県の人々やファンのみなさんにかわいがってもらってだんだん成長し、ついに故郷を離れて、どんどん遠くへ出かけていくのを母のように見守っている」と話した。

▽中国からの依頼

くまモンは大きな成功を収め、水野さんの海外での知名度も急速に上昇し、ほぼ毎日、世界のどこかの会社からデザイン依頼が舞い込むという。その中にはもちろん、中国の会社からの依頼もある。レストラン、不動産、エンターテインメントなどさまざまなジャンルの会社で、その多くがくまモンのように人気のあるキャラクターをデザインしてもらい、認知度を上げ、製品の売り上げにつなげたいとしている。

水野さんはいつも「依頼を断る」といい、「こういった目的だけでデザインしても面白くない。キャラクターのデザインはそれほど難しいことではないが、育てるには成長をはぐくむ土壌が必要になる。これは依頼を受けるときに検討する重要な要因だ。さきにくまモン人気の3要素に関連して述べたように、自分はくまモンを『生んだ』だけだ」と説明した。

水野さんはこれまで20数年にわたり、いろいろな会社と関わってきた。そこから導かれた理論は、「世界には3種類の会社しかない。もうけることだけ考える会社。人類に幸福をもたらそうとする会社。人類に幸福をもたらすと同時にもうけようとする会社の3種類」というものだ。水野さんは2つ目の3つ目との協力しか考えておらず、稼ぐためだけに依頼を受けることはしないという。

水野さんは、質がよく値段も手頃な衣類をより多くの人に着てほしいと願うユニクロのような企業が好きだという。アリババも人々の生活スタイルを変えたと高く評価する。水野さんの哲学では、全ての行動の基礎は「大義」であり、「大義」のある企業と協力したいという。

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