日本の岐阜県高山市にある企業がこのほど打ち出した、食べられるコーヒーカップが注目を集めている。おいしいコーヒーを味わった後、クッキーでできたカップも食べることができる。環境に優しく、味もおいしいということで、瞬く間に話題になり、世界各地からの観光客がその味を試そうと続々やって来るという。
この食べられるカップを作っているのは愛知県にある株式会社丸繁製菓。社員はわずか50人で、かつてはアイスクリームのコーン製造を主業務としていたが、2011年に食べられる食器の開発をスタートした。これまで食べられる食器を年間約3千点製造していたが、環境保護意識の高まりに従い、受注量が徐々に上昇してきた。今年は第1四半期だけで6千点から7千点の受注があったという。
同社が最初に作ったのは食べられるトレー(器)で、主に屋外でのイベントで食べ物を入れるのに使用される。17年8月には、いぐさを原料にした食べられるお箸も開発。1膳あたりサラダ1皿分ほどの食物繊維を含み、とても人気がある。食器が味わわれずに捨てられてしまわないようにするため、同社は開発に際して食器の味がよりおいしくなるよう努力を重ねてきた。例えば、エビを使ったエビ味の食器のほか、タマネギ味や焼きトウモロコシ味のトレーもある。
同社の榊原勝彦専務取締役は、「ここ数年、人々の環境意識が高まるにつれ、当社の売上高も増加を続けている。現在、食べられる食器の価格はプラスチック製の食器の10倍になるが、販売規模が拡大していけば、価格は徐々に下がり、より多くの人が環境を守るために余計にお金を払ってもよいと考えるようになると確信する。食べられる食器は実際には食品であり、当社は日本の関連法律や基準を厳格に守って製造している。当社は中国市場での発展に大きな期待をかけており、当社の製品が中国でより広く認知されることを願っている」と話した。
日本の業者は過剰包装の問題と大量のプラスチックごみが出ることに悩んでいる。統計によれば、日本では毎年約940万トンのプラごみが発生し、国民1人あたりのプラごみ発生量は世界2位だ。日本の各界は効果的な措置をとってプラごみを減らしたいと考えている。
これと同時に、日本企業はそれぞれの状況に合わせて、環境保護製品の開発などを通じてプラごみ汚染の削減に努めてきた。日本では多くの飲食店がプラスチック製ストローをやめてトウモロコシ原料のストローを提供するようになった。調味料会社・味の素グループはパッケージの一部を、プラが主原料のものから紙製のものに切り替えた。化学メーカーの花王もこのほど、30年をめどにシャンプーやコンディショナーのプラ容器を100%リサイクル可能なフィルム包装容器に変えると宣言した。インスタントラーメン大手の日清食品グループも、生分解性プラスチックを使用してプラ容器を減らしていくとしている。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年7月23日