日本の安倍晋三首相と米国のドナルド・トランプ大統領は25日に米国・ニューヨークで、貿易協定に調印し、米国の農産品と日本の工業製品などの関税を引き下げることで合意した。新華社が伝えた。
新協定に自動車と自動車部品は含まれておらず、継続協議となった。安倍首相は同日、日本の対米自動車輸出について米国が追加関税を課さないと約束したことを確認した。
【関税減免】
安倍首相とトランプ大統領は国連総会に出席する合間に会談を行い、貿易協定に調印して共同声明を発表した。新協定は両国の立法機関の承認を得る必要があり、来年1月1日に発効する予定だ。
新協定に基づき、日本は約72億ドル(1ドルは約107.7円)相当の米国産農産品の関税を減免し、これには牛肉、豚肉、小麦、チーズ、トウモロコシ、ワインなどが含まれる。また日本の切り花、しょう油など少量の農産品、蒸気タービン、工作機械、自転車、楽器などの工業製品が、米国の関税減免の対象になる。
日本の共同通信の報道によれば、協定が発効すると、日本の米産牛肉への関税率は38.5%から26.6%に下がり、最終的に9%まで下がる見込みだ。日本の対米牛肉輸出の割当枠が拡大され、毎年200トンから6万5千トンに増える。
ロイター通信は、日米の新貿易協定は米農産品の輸出にかかる圧力を部分的に緩和することができるとの見方を示した。
【TPPを参照】
日本の米国製品に対する関税率は「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(TPP11)」、つまり米国抜きの「環太平洋パートナーシップ協定(TPP)」が参照された。トランプ大統領は2017年1月に就任するとTPPからの離脱を宣言し、日米は18年9月に2国間貿易交渉をスタートすることで合意し、日本はTPPで取り交わした税率の範囲内で米国と交渉する方針を堅持した。
日本の茂木敏充外相は日本側代表として貿易協議に臨み、25日にはメディアに対し、「日本の米国産農産品への関税率の減免は日本がTPP11の他の調印国に提供する関税減免のレベルを超えることはない」と述べた。