「民は食をもって天となす」。中国のこのことわざから、「食文化」の深い意義、重要な意義がうかがわれる。「14億人近い人々の食糧問題を誰が解決するのか」は、一国だけの問題ではなく、世界にも影響を及ぼす重要な課題だ。
人口大国で、農業大国でもある中国は、ここ数年、全国の食料の作付面積は1億1333万ヘクタール以上で常に安定し、単位作付面積あたりの生産高は増加を続け、食料の生産高は6千億キログラム以上をずっと保っている。現在、中国の穀物自給率は95%を超え、一人あたり食料の自給率は100%に達し、一人あたり供給純食料は480キログラムに達して世界平均を37%上回っている。
中国では、13万2千平方キロメートルの、福建省の面積にほぼ匹敵する土地が開墾されて果樹園・果物畑になり、2018年だけで果物2億5千万トンを生産し、世界の総生産量の31.4%を占めた。中国人の食生活に占める果物の量は、新中国成立初期の一人あたり平均3キログラムから、今では平均184キログラムに増加した。
食事の水準が改善して、中国人の体格の発育状況と栄養状態が目に見えて改善し、国民の生活幸福感指数も上昇を続けている。
調査によると、1975年から15年の間に、中国の児童は身長指数も体重指数も急上昇を続けた。最も代表的な5-5歳半の年齢の児童をみると、男児の身長は8.0センチメートル、女児の身長は8.2センチメートル、それぞれ伸びた。中国人の平均寿命は49年は35歳だったのが、今では77歳と2倍以上延びた……
食料は目に見えない国防ラインだ。1970年代に米国のキッシンジャー元国務長官は、「石油を支配する者は、全ての国家を支配する。食料を支配する者は、全人類を支配する」と指摘した。
中国は20年の食料需要は7千億キログラムに達すると予想する。これほど多くの食糧需要を満たすことにどれほどのプレッシャーがかかるかは、容易に想像できる。
78年に安徽省の小崗村で始まった「生産請負制」が眠っていた大地のパワーを呼び覚まし、中国の食料生産に新しい活力を注入した。改革開放がスタートし、農村の状況に合致した一連の方針・政策が打ち出され、農村経済と食料生産は根本的に変化し、78-84年に生産量は3047.5キログラムから4073キログラムに増加し、6年間の年平均増加率は5.1%だった。また04年以降は12年連続で食料生産量が増加した。