人民網日本語版>>カルチャー

東京で特別展「彩縷繡吉祥--恭王府館藏民間刺繍芸術品展」が開催

人民網日本語版 2019年10月09日10:33
東京で特別展「彩縷繡吉祥--恭王府館藏民間刺繍芸術品展」が開催
今回展示された貴重な刺繍作品を紹介する中国文化・旅游部恭王府博物館の辺偉副館長。

中国の伝統民間工芸の一つである刺繍は長い歴史を誇り、その技術は精錬されており、その題材は幅広く、バラエティに富んでいる。絵柄や模様の多くは縁起の良いものが選ばれ、構図はシンプルで素朴なものが多い。また、カラフルで、中国の庶民の豊かな感情を生き生きと描いているものが多い。10月8日、東京の中国文化センターで、「彩縷繡吉祥--恭王府館藏民間刺繍芸術品展」が開幕した。同特別展は中国文化・旅游(観光)部(省)恭王府博物館と中国文化センターが主催、人民網日本公司が共催している。人民網が伝えた。

中国駐日本大使館文化処の石永菁参事官、中国文化・旅游部恭王府博物館の辺偉副館長、中国文化センターの羅玉泉主任、中国駐東京観光代表処の王偉首席代表、東京華僑総会の林斯福会長、日本外務省アジア大洋州局中国・モンゴル第一課の井川原賢地域調整官、公益社団法人日本中国友好協会の永田哲二常務理事、公益財団法人日中友好会館の佐藤重和常務理事らが開幕式に出席した。

中国文化旅游部恭王府博物館の辺偉副館長の説明によると、同特別展では、中国文化・旅游部恭王府博物館が所蔵している近代の民間刺繍作品約100点が展示され、刺繍布片、ケープ、巾着袋、耳当て、子供用キャミソールなどの日用品、衣類などがメインとなっており、洗練された様々な技法を使って製作された作品ばかりで、民間の刺繍職人の知恵と技術を見ることができる。多種多様な縁起の良い模様には、多くの歴史的、文化的メッセージが込められており、中華民族が精神的なものを追求し、生活を楽しんでいる様子を垣間見ることができる。

数十年かけて收集されたそれら刺繍作品の一部は非常に貴重な伝世品だ。また、四大刺繍と呼ばれる江蘇省蘇州の「蘇繍」の技術を伝える際に使われる実物教材も展示されており、高い芸術的価値があり、中国の人々が抱く、素晴らしい手工芸の技術を伝えたいという気持ちと、そのための知恵が反映されているほか、近年、中国の優秀な伝統文化芸術の保護や伝承に力を入れて取り組んでいる恭王府博物館の成果もPRされている。

中国駐日本大使館文化処の石永菁参事官は今回の展覧会を高く評価し、「恭王府は中国で非常に有名な歴史的建造物で、現在も映画やテレビドラマによく登場し、中国の人々の間で非常に名高い」と説明した。石参事官は、「1984年に文化部に勤務していた。長い中日文化交流において、恭王府が日本で展覧会を開催するのは今回が初めてで、非常に喜ばしい。日本では、刺繍や刺繍布片の展覧会が非常に多いが、今回の展示品には非常に特徴があり、いずれも清代末期から民国期のもので、質が極めて高い」と述べた。最後に、石参事官は開幕式に臨席した来賓に対し、「恭王府には古い舞台のほかにも匠の技で作り上げた景観があり、内部が非常に美しい。来賓の皆様に恭王府を訪れていただき、中国の悠久の歴史が内包する豊かな文化を実感していただきたい」と述べた。

公益財団法人日中友好会館の佐藤重和常務理事は挨拶のなかで、「今回展示されている貴重な刺繍作品は100点以上あり、収集するには数十年かかる。こうした貴重な刺繍作品を鑑賞できるのを楽しみにしている。これらの非常に華麗な刺繍作品から、中国の悠久の歴史と文化の幅広さと奥深さを感じることができる」と述べた。

10月9日午後、特別展の会場では「その技術はまるで神業——中国民間刺繍芸術」と題する講座も開催される。講師は中国芸術研究院の研究員で、博士課程の指導教官である孫建君氏だ。孫氏は、今回の展示品の元所蔵者でもあり、数十年にわたり、中国各地で、民間工芸美術調査・研究を行い、高い芸術的価値、文化的価値を持つ紡織作品、刺繍作品を数多く収集してきた。

特別展を主催する中国文化・旅游部恭王府博物館の所在地である恭王府は、美しい景色が広がる北京の什刹海地区、明清朝の旧王宮・紫禁城の北西に位置する。清朝第6代皇帝・乾隆帝の臣下の和坤(わこん)の私邸として1780年ごろに建設された恭王府は、道光帝の第6子・恭親王奕訢(えききん、1833—1898年)に下賜され、その子孫もそこに住んだことで、「恭王府」と呼ばれるようになった。精巧な技術を駆使して建設された恭王府の形や作りからは荘厳な雰囲気が漂い、装飾は非常に豪華。中国の清代王府のなかで保存状態が最も良く、しかも唯一一般公開されている。その建物は、中国近代の歴史の沿革と変遷を反映し、中国の清代王府文化の代表だ。現在、国家一級博物館に認定されている恭王府は、特色が鮮明で、民間に根を下ろし、遺跡上にある王府文化を研究、展示、PRの中心とするコミュニティ博物館へと発展させることに力を入れている。そして、歴史・文化遺産の保護や清代王府文化研究だけでなく、中国の優秀な伝統文化の研究、展示、継承のために、不可欠なプラットフォームを構築している。

「人民網日本語版」2019年10月9日

 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13次ページ

関連記事

おすすめ写真

コメント

ランキング