「中米経済貿易協力の本質は互恵・ウィンウィンであり、和すれば共に利し、争えば共に傷つく」。商務部(省)の任鴻斌部長補佐は9日午後に国務院新聞弁公室で行われた記者会見でこのように述べ、中米経済貿易協議をはじめとする関連の問題について質問に答えた。「北京日報」が伝えた。
任氏は記者会見で、「中共中央と国務院の質の高い貿易発展・推進に関する指導意見」に関連する状況を説明した。
中米貿易合意をめぐる協議の進展状況は?
任氏は記者からの質問に答える中で、「中米経済貿易協力に関して、みなさんもご存じのように、私たちの態度と立場は一貫している。中米経済貿易協力の本質は互恵・ウィンウィンであり、和すれば共に利し、争えば共に傷つく。中米経済貿易協議・交渉に関して、私たちは双方が平等と相互尊重の原則に基づいて交渉と協議を推進し、お互いの中心的懸念にも配慮し、できるだけ早く各方面がそろって満足する結果を出すことを願う」と述べた。
対外貿易輸出入での流れに逆行した成長は予想以上に好調
中共中央と国務院はこのほど、「質の高い貿易発展・推進に関する指導意見」を通達した。
「指導意見」は10章34条からなる。貿易とその他の分野の事業とが融合・協調した発展を突出させ、貿易の新業態のさまざまな指標システムの構築と充実を突出させ、貿易のデジタル化とサービス化の方面でのシステム構築を突出させたものだ。
説明によると、今年に入ってから、中国は対外貿易輸出入での流れに逆行した成長を達成し、安定の中で質が向上し、発展状況は予想以上に好調だ。1-11月には、対外貿易輸出入総額が28兆5千億元(1元は約15.4円)に上り、前年同期比2.4%増加し、通年の対外貿易情勢は30兆元の規模で安定すると予想される。世界と比較すると、中国の輸出増加率は世界の主要エコノミー全体のレベルを上回る。
高い技術、高い品質、高い付加価値の製品の輸出が急速に増加し、集積回路と医療機器の輸出増加率が全体の増加率を上回り、越境ECと小売りの輸出入が同20%増加した。
国際市場の展開はより合理的でバランスの取れたものになり、「一帯一路」(theBelt and Road)沿線国の輸出入が占める割合が29.3%に達した。商品構造は高度化し、輸出に占める電機製品の割合が58.4%に達した。
注目されるのは、民間企業が輸出で51.4%の割合を占め、中国の輸出の第一の担い手になり、半分を占める存在になったことだ。
同部対外貿易司の李興乾司長は、「来年の対外貿易の発展環境に関して、私たちにははっきりとした冷静な認識がある。国際市場をみると、需要の伸びは力不足で、不安定要因と不確定要因が増大し、経済協力開発機構(OECD)も世界の物品貿易量の増加率予測を下方修正した。中国国内をみると、対外貿易発展の基礎は安定してしっかりし、十分な強靭さがあり、各種の経営主体は活力に満ちており、私たちは対外貿易が安定の中で質を向上させる状況を維持するものと確信する」と述べた。
新たに一連の国家対外貿易モデル転換・高度化拠点を建設「指導意見」は、貿易と産業が協調して発展する必要があるとの見方を打ち出した。
任氏はこれについて、「貿易の質の高い発展では、産業が基礎になる」と述べた。
任氏は、「私たちの国家の工業体系は整っており、中国はすでに世界最大の製造業国家であり、220品目を超える製品が世界一になり、産業の発展が対外貿易の発展に力強い支えを提供している。これと同時に、貿易は産業の国際化であり、産業と市場とをつなぐものでもあり、産業が発展するときの重要な推進力だ。産業と貿易は相互に支えあっていると言える」と述べた。
同部は今後について次のような展望を述べた。グローバル産業チェーンを発展させる。「海外からの導入」と「海外進出」との結びつきを堅持し、産業の強靭さとリスク対抗力を増強する。ストックを留保し、加工貿易から開発設計、販売サービス、ブランド経営などの段階へ進むようにし、輸出の付加価値を緩やかに上昇させる。加工貿易の中部地域および西部地域への移転を推進し、保税メンテナンス・再製造業務を発展させ、産業チェーンを延伸する。伸びを拡大し、製造業分野の開放政策の実施を推進し、海外からの資本が先端製造業に投入されるよう奨励し、海外での経済貿易協力区建設を推進し、対外投資の方向性を誘導・規範化する。
同部は国際協力の新たな可能性を拡大するとし、次のように述べた。市場、技術、ルールなどの分野での協力をさらに深化させ、サービスプラットフォームを構築し、産業チェーンの向上のためにより広い可能性を切り開く。国際市場における配置を最適化し、市場の開拓を一層強化し、従来の市場と新興市場との同時発展を実現させる。国際ルールの制定に参加し、「一帯一路」をめぐる国際経済貿易協力を力強く推進し、高い標準の自由貿易区ネットワークの構築を加速させ、多国間貿易体制をゆるぎなく守り、製造業の発展のために有利な国際環境を創出する。
また同部は「三項目の建設」を推進することについて、次のように述べた。産業と貿易が協同発展する一連の促進プラットフォームを構築し、競争における新たな優位性を育成する。新しい一連の国家対外貿易モデル転換・高度化基地を建設し、外向型の産業の急速な発展を促進し、国際マーケティングサービスシステムの構築を加速させ、国家レベルの公共サービスプラットフォームを育成し、製造業がバリューチェーンの高いところへ飛躍するよう後押しする。中国国際輸入博覧会を入念に準備・開催し、中国輸出入商品交易会(広交会)のイノベーションと発展を加速させ、一連の中国独自ブランドの海外における展示会の開催を支援していく。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年12月10日