正確な位置づけでマカオの飛躍的発展を実現

人民網日本語版 2019年12月17日13:06

グローバル経済の中で成長が最も速い地域の一つであり、国内総生産(GDP)の一人当たり平均が最も高い地域の一つでもある……祖国に復帰して20年がたった澳門(マカオ)は、発展の成果が目を引き、その変化を多くの人々がその目で見てきた。

祖国復帰20年で、澳門のGDPは1999年の519億マカオ・パタカ(1パタカは約13.6円)から2018年は4447億パタカに増加し、飛躍的発展を実現した。平均GDPも12万パタカから67万パタカに躍進した。

これほどの成果は容易に得られるものではない。澳門にとって、この20年間の道のりは決して平たんではなく、重症急性呼吸器症候群(SARS)の衝撃、金融危機の激震、台風13号「ハト」の被害を経験した。この20年は苦境が続き、02年には澳門特別行政区政府がカジノの経営権を適度に開放し、経済全体を急速な回復に導いたが、カジノ産業だけが肥大するという問題の種が植えつけられることにもなった。

長年にわたり、澳門特区政府は「経済の適度で多様な発展の促進」を堅持し、07年には「世界の観光レジャーセンター」建設を打ち出した。観光産業の健全な発展を確保すると同時に、会議・イベント産業、中医薬、特色ある金融、文化・クリエイティブ産業などの新興産業の安定した前進を推進するよう力を入れてきた。

澳門大学の劉丁己教授は、「澳門はこれまでずっと自分たちが最も優位性をもつ観光とレジャーの分野を堅守してきた。澳門の20年間の経済成長は、『一国二制度』の実践の成功と中央政府の力強い支援によるものであり、勤勉で質朴な澳門の人々の共同の努力によるものであり、澳門特区政府の正確な位置づけによるものだ」と述べた。

霍潤さんの一家は祖父の代に澳門にやって来た。警察官になったり、皮革ビジネスに携わったりした後、今は食品貿易を手掛けて非常に勢いがある。99年に40歳だった霍さんは、この都市の変化や発展を自ら体験してきた。「この20年間、国はとりわけ多くの、とりわけ素晴らしい政策を打ち出し、それで澳門はこれほど順調に発展することができた。自分の経歴がなによりもの証拠だ」という。

03年10月17日、中央政府と澳門特区政府は「中国本土・マカオ経済連携緊密化取決め」(CEPA)に調印し、大陸部住民の澳門個人旅行を解禁し、これにより大勢の大陸部住民がマカオを訪れ、現地の外食産業、ホテル産業、小売り産業などのサービス産業に極めて大きなビジネスチャンスをもたらすことになった。汎珠江デルタ地域の協力が進化を続けるのにともない、澳門の経済成長が促進された。澳門に世界の観光レジャーセンター「1つのセンター」、中国とポルトガル語圏諸国との商業貿易協力サービスプラットフォーム「1つのプラットフォーム」を建設することが、国の第12次五カ年計画と第13次五カ年計画に組み込まれ、澳門経済の適度で多様な発展を促進した……。

ミクロ型エコノミーとして、澳門の発展ではその「小ささ」が最大のボトルネックになる。09年に国務院は横琴島を「一国二制度」の下での「広東省・香港・澳門協力新モデル」のモデル地域とすることを計画し、これが澳門の発展の可能性を大きく切り開いた。

この20年間で、澳門の位置づけはより明瞭になった。歴史的要因により、澳門と人口2億6千万人以上のポルトガル語圏諸国とのつながりは広い。03年には中国-ポルトガル語圏諸国経済貿易協力フォーラムが発足。17年には「中国ポルトガル協力発展基金」の本部が澳門に設立され、この規模10億ドル(1ドルは約109.4円)の基金は、主にモザンビーク、アンゴラ、ブラジルなどの農業、製造業、エネルギー産業のプロジェクトに充てられ、「一帯一路」(the Belt and Road)の建設に金融サービスを提供する。

19年2月に発表された「粤港澳大湾区(広州、仏山、肇慶、深セン、東莞、恵州、珠海、中山、江門の9市と香港、澳門両特別行政区によって構成される都市圏)発展計画綱要」は、澳門に対して明確な位置づけを打ち出し、「中華文化を主流とし、多様な文化が共存する交流協力基地」を構築するとした。「1つのセンター、1つのプラットフォーム、1つの基地」を構築するということだ。

香港、澳門、広東の9市を含む粤港澳大湾区は、澳門に極めて大きな想像の可能性をもたらした。前出の劉氏は、「澳門は人口が少なく土地も少なく、周辺都市と協力してこそ、その優位性を発揮し、短所を回避することができる。大湾区に融合した後は、人口6700万人に近い大湾区は、人材が非常に豊富になり、市場が十分に大きくなり、より多くの資金を誘致できるようになる。さらには大湾区の力を借りて、ビジネスモデルを大陸部市場全体に複製することも可能になる。たとえば牛腩麺(牛バラ肉入り麺)のビジネスなら、澳門だと最大でも60万人分しか売れないが、今後、西安、南寧、重慶……大陸部全体に売れば、数億人規模の市場になるだろう」と述べた。

この20年間、汎珠江デルタ地域協力、「一帯一路」共同建設、粤港澳大湾区建設といった重大発展戦略に伴い、澳門は次々にチャンスを迎えてきた。この20年間、「蓮島」と呼ばれるこの小さな島と広大な大陸との結びつきはますます緊密なものになり、人的往来は頻繁になり、経済協力は緊密になり、両者の運命はますます溶け合って一つに結び付き、ともに困難を乗り越え、手を取り合って勇敢に進み、より素晴らしい未来を共同で作り上げてきた。(編集KS)

「人民網日本語版」2019年12月17日

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