江西省人民政府新聞弁公室が16日に開催した記者会見で、江西省の新型コロナウイルス感染拡大防止・抑制応急指揮部の高級専門家、省中医薬予防・抑制専門家グループのグループ長を務める劉良■氏(■はぎょうにんべんに奇)は、江西中医薬大学附属病院撫生院区が受け入れた新型コロナウイルス感染が確認された患者23人のうち、中医薬による治療だけを受けた患者2人が治癒し、16日に退院したことを明らかにした。人民網が報じた。
劉氏は、「臨床上、ほとんどの患者は軽症の段階で、中医薬、または中医学と西洋医学を組み合わせた治療を通して病状を抑制または治癒することができる。現在、臨床上『無症状』の新型コロナウイルス感染患者が少なくない。『無症状』とは、発熱や咳などの症状がない状態だ。しかし、中医学の観点から見ると、決して『無症状』ではなく、飲食や大小便、精神状態、舌の状態、脈拍などの面で異常が出ている。そのため、それら患者にできるだけ早い段階で、方向性を絞った中医薬による治療を行えば、病状の悪化を効果的に防ぐことができる」と説明した。
重症、重体の患者に関しては、臨床の症状を改善したり、発熱症状の軽減、病状の悪化抑制、ホルモン用量の減少、合併症の発生抑制といった面において優れた効果を発揮できるというのが、中医薬のメリット。劉氏は、「中医学治療は、単に抗ウイルスだけでなく、免疫力を調整し、症状を改善するというのが重要な点。病状の悪化を阻止したり、遅らせたりして、死亡率を低下させることができる」と説明した。
また回復期の患者に対して、中医薬はさらに大きな効果を発揮する。「患者の体温が正常で、ウイルスに対する核酸増幅検査で陰性が確認され、肺の画像検査で炎症が明らかに改善していれば退院することができるが、これは患者が完全な回復を意味するわけではない。程度の差はあるものの、そのほとんどの患者に息切れや倦怠感、食欲不振、軟便などの症状が残っている。そのような場合、参苓白術散といった伝統的な中医薬治療を用いることができる。もちろん、熱敏灸療法や薬膳などを採用することもできる」との見方を示した。
その他、劉氏は、「江西中医薬大学附属病院撫生院区(省の中医学と西洋医学を組み合わせた治療による感染症指定医療機関)が受け入れた新型コロナウイルス感染が確認された患者23人のうち14人が中医薬だけの治療を受け、9人が中医学と西洋医学を組み合わせた治療を受けた。うち、中医薬だけの治療を受けた2人が16日に退院した」と明らかにした。
そして、「中医学と西洋医学にはそれぞれメリットがある。中医学と西洋医学を組み合わせることで、それぞれのメリットを生かして補完し合うことができる。この方法は現在、新型コロナウイルス感染による肺炎に対して、最も効果的な治療方法であることから、治療方法の中で非常に重要な存在となっている」と強調した。
今月13日0時の時点で、江西省で新型コロナウイルス感染が確認された患者の数は900人、治癒して退院した患者の数は187人となっている。うち、中医学と西洋医学を組み合わせた治療法を受けた患者の退院率が約9割に達している。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年2月18日