郎朗も影響受けた「トムとジェリー」 ジーン・ダイッチ死去でその完成度の高さが再び話題に

人民網日本語版 2020年04月29日15:59

「トムとジェリー 」の第2期(13作品)を手掛けたアニメーターのジーン・ダイッチ氏が4月16日に死去。多くの人が子供の頃の思い出を蘇らせ、その頃見ていた「トムとジェリー」が検索ランキングにも名を連ねた。1947年に公開された「ピアノ・コンサート」では、トムの弾く鍵盤が流れる音楽の譜面と一致しており、その完成度の高さは「神業」と話題になった。文匯報が報じた。

ヨハン・シュトラウス2世の「美しく青きドナウ」、ショパンの「華麗なる大円舞曲」、ベートーヴェンの「ピアノソナタ第14番」など、「トムとジェリー」シリーズには、クラッシック50曲以上が登場する。中国のピアニスト・郎朗(ランラン)は以前、「演奏の時の、僕のいろんな体の動きは、かなり『トムとジェリー』の影響を受けている。トムは僕の手ほどきをしてくれた先生で、テレビで『ピアノ・コンサート』を見る時は、見入ってしまう」と話したことがある。

ある音楽関連の専門家であるネットユーザーは、「ピアノ・コンサート」でトムがリストの「ハンガリー狂詩曲第2番嬰ハ短調」を演奏している時の指の動きは、適当に動かされているわけでは決してなく、その譜面と一致していることを発見している。

1940年代というと、3DモデリングやPSグラフィックスタブレットなどの技術はもちろん存在せず、アニメ製作の工程は今よりも複雑だった。しかし、「トムとジェリー」の製作チームは、やっつけ仕事をすることなく、イラストレーターが、1秒24コマのフィルムを一枚一枚丁寧に仕上げた。トムがピアノを演奏するシーンを例にすると、イラストを描く前に、流れる曲のコマ割りをしっかりと行い、それにトムの手や体の動きを合わせなければならない。トムの指は4本しかないため、ピアノを演奏する時の手の動きもそれに合わせて変えなければならない。最終的に出来上がった演奏シーンは、正確な演奏が再現されているだけでなく、トムとジェリーがけんかするシーンも見事に組み込まれていた。その匠の心と神業により、「ピアノ・コンサート」は1947年にアカデミー短編アニメ賞を受賞している。(編集KN)

「人民網日本語版」2020年4月29日 

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