中車株洲電力機車研究所有限公司が今月3日に明らかにしたところによると、同公司傘下の株洲中車時代電気股フン有限公司(フンはにんべんに分)が提供する永久磁石を利用した牽引システムなどの設備を搭載した長沙地下鉄5号線(湖南省長沙市)がこのほど営業運転を開始したという。
中車株洲公司の説明によると、これは中国初の永久磁石牽引システムを採用した地下鉄路線となっており、中国がリニアメトロ時代という新たな時代を迎えたことを意味するという。
このたび第一期運転が始まった長沙地下鉄5号線の第一期工事では、長沙の中心市街地の東部を南北に走る線路が敷設され、東西を走る主要路線との接続や乗り換えを実現した。全長は22.42キロメートルで、特色ある駅が4ヶ所設置され、「3区1県」をつなぎ、大規模居住エリア、病院、学校、商業圏を結び、中心市街地の南北方向の交通にかかる圧力を極めて効果的に緩和し、沿線エリアの開発建設と発展を力強く促進している。
長沙地下鉄5号線には車両24本が配置され、その最大の特徴はすべてに永久磁石牽引システムが採用されたことだ。中車株洲公司の馮江華副社長兼チーフエンジニアは、「永久磁石牽引システムは鉄道交通の次世代牽引システムの主流になるもので、全線でこのシステムを採用したことで、長沙地下鉄5号は運営コストが大幅に低下し、中国の都市鉄道交通牽引システムの高度化・バージョンアップにモデルとなる役割を果たすことになる」と述べた。
中車株洲公司の説明では、交流電源の非同期電動機による牽引システムに比べ、永久磁石同期電動機による牽引システムは出力密度、効率、力率が高く、騒音が少なく、軽量化といった明らかな優位性を備えている。永久磁石牽引システムは鉄道交通の車両の牽引に応用され、牽引効率を高め、エネルギー消費量を減らし、メンテナンスの量を減らし、ライフサイクル全体でコストを削減することができる。第三者の評価によると、永久磁石牽引システムの平均省エネ率は30%を上回っている。騒音軽減については、騒音が他のシステムより目に見えて少なく、低速で運行する区間はより少なくなり、回転数毎分0-1900で運転した時の平均は5.5デシベルエーまで下がり、乗客の快適度が効果的に高められている。軽量化については、永久磁石の同期電動機は非同期電動機より110キログラム軽く、空間の占有率とエネルギー消費率を効果的に引き下げることができたという。
馮氏は、「電圧1500ボルト、最高速度時速80キロメートルのB型車両は、車両1本あたりの年間営業キロ数が約12万キロメートルで、1キロメートルあたりのエネルギー消費量は1本あたり11キロワット毎時、すべての車両が1年間に使用する電力は約132万キロワット毎時となり、永久磁石牽引システムの省エネ率30%で計算すると、このシステムを採用すれば、車両全体で毎年約40万キロワット毎時の電力が節約できることになる」と説明した。
中車株洲公司は2017年に長沙地下鉄1号線で永久磁石牽引システムによる15万キロメートルの旅客輸送運転のテストを実施した後、厦門(アモイ)、深セン、寧波、佛山、北京など各地の地下鉄車両の一部でこのシステムを応用しているが、全線の車両で同システムを採用したのは長沙地下鉄5号線が初めてとなる。
永久磁石牽引システムは現在、業界で鉄道交通車両牽引システムの次世代の新技術発展の方向性とみられている。馮氏は、「永久磁石の地下鉄だけでなく、中車株洲公司は永久磁石を利用した高速鉄道の開発応用でも大きなブレークスルーを達成しており、高速道路の永久磁石時代も遠からず実現するだろう」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年7月7日