ムウス砂漠:緑のオアシスへと変貌した中国の砂漠 (2)

人民網日本語版 2020年08月17日13:20

〇生態

各種樹木を加工して出来た粒子(撮影:楊喬)

陝西省楡林市の、かつては砂地だった場所に、高効率の果樹栽培拠点が建設され、ナツメを代表とする林業産業が経済成長の重要な支柱となった。広大な土地と豊富に生育する草という優位性を活かし、楡林市は、国内非放牧区のうち羊の飼育数がトップの都市となった。果樹資源を拠り所として、林業では精密加工の路線を取り、杏仁プロテインパウダー、杏仁ジュース、ナツメコーヒーなどが続々と市場に出回った。

陝西・内モンゴル・寧夏に跨るムウス砂漠の砂漠緑化によって恩恵を受けたのは、これらの地域にとどまらなかった。

「三北」の防護林建設、北京・天津の風砂対策、天然林資源の保護など、ムウス砂漠の緑化は、さまざまな国家林業重点プロジェクトに影響を及ぼし、黄河流域や北京市・天津市・河北省エリアなど広い地域の生態を結び付けた。

2019年、国家重点研究開発計画テーマ「半干ばつ砂漠エリアにおける防砂・砂漠化対策プロジェクト効果総合評価」において、ムウス砂漠の草地・林地・耕地・水域における各種生態系によるサービスの年間生産額は、1990年時点では893億7800万元(1元は約15.4円)だったが、2015年には1950億8900万元まで増加したと指摘している。

この研究は、2020年から2025年にかけてのムウス砂漠緑化プロジェクトの生態系サービス年間生産額は2千億元を上回り、引き続き顕著な増加傾向が続くと予想している。(編集KM)

「人民網日本語版」2020年8月17日

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