香水も同じだ。ある香水の販売者は、「キールズのオリジナル香水は1本350元。ばら売りなら1ml 9元。10ml買うと、江蘇省、浙江省、上海なら送料無料だ。コストと送料を引くと、10元ほどしか儲からない。買い手にとって、『小買い』はコストパフォーマンスが高い」と話す。
手帳デコレーショングッズを販売するバザーで商品を眺める若い女性たち。
上海の手帳や関連商品を販売する店舗が集まるバザーでは、多くの学生が、専用グッズを持って、マスキングテープをばら買いしに来ている。そして、店員も親切にそれをばら売りしている。マスキングテープをなぜばら買いするのだろう?1つのマスキングテープには一組の模様が入っており、それが繰り返されている。ある若者の客は、「ばら売りのほうがお得。マスキングテープ1つの値段で、7‐8個の種類の模様を買うことができる。それで、手帳をデコレーションするレパートリーも増える」と話す。
ばら売りされているマスキングテープ。
「小買い」は生活の哲学
「小買い」の復活は、社会の消費理念が変化していることを示している。
なぜ、数元や数角安くなることを望むのだろうか?汪さんは、「実際には、ばら売りで5ミリリットルも買えば十分。多くの90後や00後は、盲目的に買いだめしたり、自分の能力を超えた消費を追求したりするよりも、質の高い生活を、よく計算しながら追求するというのが、消費観念になっている」と話す。
それは、「ケチ」という意味ではなく、生活の本質に平然と向き合い、融通を利かせているだけだ。「小買い」は、機転が利き、実用性を求める上海の人々の特徴を正確、かつ生き生きと描き出している。
このように節約しながらでも、生活を楽しむことは可能なのだ。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年9月27日