一連のデータが、今年の丑年の春節(旧正月、今年は2月12日)の様子を伝えている——小売・飲食消費が8200億元(1元は約16.3円)を超え、映画の興行収入が80億元の大台を突破し、1億人が帰省せず今いるところで春節を過ごすことを選択。年越し用品の宅配便6億6千個が春節期間の帰省・Uターンラッシュのような特別体制で配達された。
8210億元! 90後・00後が年越し用品の新たな「トレンドリーダー」に
商務部(省)のモニタリングによると、2月11日から17日までの間に、全国重点小売・飲食企業の達成した売上高は約8210億元に上り、昨年の春節連休期間より28.7%増加した。春節連休期間にオンライン決済プラットフォーム「網聯」で処理された、異なる金融機関の間で行われたオンライン決済取引は79億3700万件に上り、取引金額は4兆9800億元だった。
今年の春節には、90後(1990年代生まれ)と00後(2000年代生まれ)が家庭で中心の役割を果たすようになり、年越し用品を管理する新たな「トレンドリーダー」になった。天猫(Tmall)の年越し用品イベントでは、90後による注文の割合が6割を超えた。
天津市に実家がある90後の呉■(丹へんに彡)さんは取材に、「小さい頃の年越しといえば、春節休み数日間の一家のお腹を満たすため、冷蔵庫に肉や魚がぱんぱんに入っていた。今年は自分が年越し用品を購入する役目になり、両親のためにマッサージチェアと食洗機を買った。ナッツ類やおやつは油分と塩分が少ないものにして、よりヘルシーにした」と話した。
消費高度化の流れの中、「ヘルシー」、「グリーン」、「テクノロジー」が中国人のショッピングカートを彩るキーワードになった。
データをみると、春節連休期間には蘇寧易購でスマートキッチン家電の売り上げが170%増加し、特に除菌、脱臭、湿度コントロールなどの機能がある高級スマート冷蔵庫は、オフラインの売り上げが77%増加した。
帰省せず今いるところで年越しをした人々の食卓から、年越し料理の消費の様子がひそかに変化していることがわかる。
新型コロナウイルス感染症対策を受けて、年越し料理は「レストランからオンラインへ」と変化した。京東のビッグデータでは、2月11-16日の年越し料理ギフトセット、年越し用品ギフトセット、インスタント食品などの製品の売り上げは前年同期比90%増加した。2月9-11日には、食品デリバリープラットフォームで年越し料理の半調理品の売り上げが前年同期より4倍増えたところもあった。
1つのボタンで注文が完了する「クラウド注文」で食事に誘う、半調理品のギフトセットで料理初心者をサポートする、ライブ配信でシェフが料理をオンライン指導する……特殊な今年の春節には、年越し料理のさまざまなスタイルが花開き、異郷で年を越す人々の胃袋と心を満たした。
「今いるところで年越し」のかけ声の下、これまで春節連休期間になると閑古鳥が鳴いていた大都市の商業施設は、今年は久しぶりに「大量アクセス」を迎えた。北京・王府井の繁華街にはのべ53万人が訪れ、杭州市の湖浜歩行者天国は全体の売上高が前年同期比486%増加した。春節連休期間に、全国の人気商業圏での支付宝(アリペイ)による決済金額は平均108%増加した。
宅配便6億6千万個!
統計によると、各地での呼びかけを受けて、今年は全国で1億人以上が今いるところでの年越しを選択した。別のデータでは、春節連休7日間の全国旅客輸送量はのべ9841万8千人に上り、19年同期に比べて76.8%減少し、20年同期比では34.8%減少した。
故郷に帰らなかった人は、望郷の念を宅配便に托した。
貴州の酸菜(漬物)、湖南の朧肉(ベーコン)、雲南の火腿(ハム)……各地の年越し用品が、例年とは異なり都市部に向かって爆発的な売れ行きを示し、年越し用品版の春運(春節期間の帰省・Uターンラッシュに伴う特別輸送体制)がスタート。大量の年越し用品が配達された。
国家郵政局のデータでは、春節連休期間に全国の郵政機関が集配・配達した宅配便は同260%増の累計6億6千万個に上った。2月11-16日には、京東プラットフォームの異なる地域間の注文取引額が58%増加した。物流企業・菜鳥のデータでは、1月20日から2月4日までに、県・区エリアから大都市に送られた宅配便は平均2割以上増加した。
映画興行収入80億元!
映画、近場旅行、リアル脱出ゲーム……今年の春節に今いるところで年越しをした人々が選んだ年越しの過ごし方は、実に多様だった。
2月18日0時現在、春節映画のリアルタイム興行収入は80億元を突破し、例年の同期の数字を大きく上回った。支付宝のデータでは、春節連休期間の1日あたり平均観客動員数の増加率は560%を超えた。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年2月19日