新型コロナ、人体との結合能力はSARS以上

人民網日本語版 2021年03月03日15:11

天津大学によると、同大の生物情報センター長である高峰教授のチームは分子動力学シミュレーションにより、SARSコロナウイルスと新型コロナウイルスが‍ヒトの受容体の異なる温度における結合の特徴の差を明らかにし、薬品開発に有益な指導・参考を提供した。この研究は2月22日、生物情報学分野のトップ学術誌「Briefings in Bioinformatics」にオンライン掲載された。科技日報が伝えた。

SARSウイルスと新型コロナウイルスが細胞への侵入に成功したのは、主にスパイクタンパク質の受容体結合ドメイン(RBD)とアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)の相互作用によって決まる。

新型コロナウイルスが大流行してから、科学者はRBDとACE2の相互作用に関する多くの研究を行ったが、その圧倒的多数が室温約27度で行われた。温度はウイルスの感染性に影響を及ぼす重要な要素だ。高氏のチームは今回、SARSウイルスと新型コロナウイルスの異なる温度におけるRBDとACE2の結合の特徴の差を明らかにした。

高氏のチームは分子動力学シミュレーションにより、選ばれた異なる温度における新型コロナウイルスのRBDのRMSF(Root Mean Square Fluctuation)がいずれもSARSウイルスより小さく、コンフォメーションの分布がより集中していることを発見した。これは新型コロナウイルスのRBD構造がより安定的であることを意味する。

また研究者はSARSウイルスと新型コロナウイルスのRBDとACE2の異なる温度における結合の強度を評価した。ランダムに選ばれた温度において、新型コロナウイルスのRBDとACE2の結合能力がSARSウイルスよりも強いことが分かった。彼らは最後に、SARSウイルスと新型コロナウイルスの双方のRBDとACE2の結合の差を引き起こす鍵となる残基を重点的に分析し、今後の関連薬品の開発に向け有益な指導・参考を提供した。(編集YF)

「人民網日本語版」2021年3月3日

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