現在、中国には大勢の「ダブルワーク青年(両棲青年)」がいる。新しいことにチャレンジし、さまざまな発展の道を模索し、自分の趣味や関心を伸ばしていく……若者が「ダブルワーク」を選択する理由はさまざまだ。全体としてみた場合、一体何が若者を「ダブルワーク」に引き寄せるのか。中国青年報社会調査センターがこのほど18-35歳の若者1945人を対象に行った合同アンケート調査によると、「ダブルワーク青年」の層がどんどん拡大しており、回答者の58.3%が、「新興産業と新職業が若者を引き寄せる力が大きくなった」とみていることがわかった。「中国青年報」が伝えた。
広東省で会計の仕事をしている王楠さん(仮名)は、代理購入を副業にしている。彼女の話では、「趣味が『ダブルワーク青年』を選んだ主な理由。普段から買い物が大好きで、新しいシーズンになって人気商品リストが出ると、店に行って実物を見たくなる。代理購入をすれば見たい気持ちが満たされる。好きでやっているのでなければ、副業を続けるのは非常に難しい」という。
上海の証券会社で働く曹宇さん(仮名)は、「若者が『ダブルワーク青年』になることを選ぶのは、副業の中で自分の趣味や関心を存分に発揮できるからで、自己実現の1つの手段であり、副業を非常に楽しんでおり、プレッシャーや任務だととらえてはいない。しかし、多くの人が『ダブルワーク青年』を選ぶのは生活に迫られてのことだと思う。副業があれば収入を増やす機会が得られて、暮らしが楽になる」と述べた。
北京の事業機関で働く潘程維さん(仮名)は、「様々な新職業が増えて、より多くの柔軟なスタイルの副業を若者が選べるようになった。それほど時間を取らず、場所や資本も必要ない、といった副業の登場は若者の『ダブルワーク』を後押しした。また現在の若者の職業観はとても自由で、1つの仕事を一生続けるとは考えていない。自分の周りにも『ダブルワーク青年』がたくさんいる」と話した。
多くの若者が「ダブルワーク青年」を選ぶのはなぜか。回答者の58.3%は、「新興業界と新職業が増え、若者を引き寄せる力が大きくなったから」との見方を示し、56.1%は、「経済的プレッシャーが大きいから」と率直に述べた。また、「兼業のためのコストが低下したから」は46.7%、「本業の仕事のキャリア発展にボトルネックが存在するから」は46.5%、「自分の趣味のため」は39.7%だった。
中国人民大学労働人事学院の院長を務める楊偉国教授は、「『ダブルワーク青年』の層が拡大する要因は多々あり、市場、個人、雇用機関、技術、法律など複数要因がともに作用しあった結果だ。たとえば、今の若者は多様な働き方を追い求め、異なる仕事を試してみてより自分に合った仕事・職場を見つけたいと考えている。企業と雇用機関のニーズも変化している」と分析した。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年3月5日