カラオケの利用者の中心は若者から高齢者へ

人民網日本語版 2021年03月04日10:45

80後(1980年代生まれ)と90後(1990年代生まれ)にとって、カラオケはみんなの心の中にある共通の記憶だ。しかしここ2年ほどは、カラオケに行く80後と90後がますます減少し、若者の娯楽スタイルに変化が生じている。中国中央テレビ局(CCTV)のビジネスチャンネルが伝えた。

26日午後、広西壮(チワン)族自治区南寧市のカラオケ店をいくつか取材したところ、かつて隆盛を誇ったカラオケが今では若者が真っ先に集まって遊ぶ場所ではなくなった一方、中高年が新たな顧客層になったことがわかった。

シニア市民の譚さんは、「自分が行く時間帯に見かけるのは高齢者ばかり。カラオケは今や高齢者の娯楽で、値段も安い。この値段が下がったという点が重要だ」と話した。

一方、00後(2000年代生まれ)の黄さんは、「春節(旧正月、今年は2月12日)連休期間に、微信(WeChat)のグループでカラオケに行こうと提案しても、友人たちは全然乗り気でなく、結局リアル密室脱出ゲームに行くことになった。今のカラオケは家族で行くもので、若者が行く場所ではない。友人と行くことはほとんどなくなった」と話した。

とあるカラオケ店に行くと、3階建てで40数室あるボックスは5室しか埋まっておらず、歌っているのはシニア合唱団の人がほとんどだった。張明孟マネージャーの話では、「午後の料金はわずか数十元(1元は約16.5円)と安く、経済的にも、時間的にも、カラオケはリタイアした高齢者にぴったりの娯楽スタイルだ。高齢のお客様は早起きしてトレーニングし、終わったら朝ご飯を食べ、食べ終わるとちょうどいい時間になるのでカラオケに行き、それから夕方の4時過ぎか5時まで歌って、歌い終わると家に帰って晩ご飯を作るという生活をしている」という。

新型コロナウイルス感染症の影響に、若者の娯楽スタイルの変化が加わって、カラオケ産業の経営は非常に苦しくなり、客が全体で70-80%も減少した。カラオケ店の大部分が経費を抑えた経営を余儀なくされている。

業界関係者の分析では、80後と90後はカラオケ産業を支えてきた主要消費層だが、今では家庭と仕事にエネルギーの大半を取られ、少年少女時代のような情熱でスター歌手を追いかけることはない。さらにオンラインゲームやSNSなどがより多彩な娯楽スタイルを提供するようになったことも背景にあるという。(編集KS)

「人民網日本語版」2021年3月4日

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