北京大学で4月8日に主催されたシンポジウム「新型コロナワクチンと、ワクチン産業のグローバル化」で、中国ワクチン業界協会の封多佳会長は、「来年には、中国の新型コロナワクチンの年間生産量が約50億回分に達するだろう。また、今年末までに、中国人の約7割が接種を受ける見込み」と明らかにした。北京日報が報じた。
封会長は、「現時点で、中国国産の新型コロナワクチンは国内で1億3千万回分以上接種され、100ヶ国以上に1億回分以上輸出された。新中国成立以来、中国がこれほど大規模に海外にワクチン援助を提供するのは今回が初めてのことだ。そして、ワクチンは国際的な公共財という中国の考えに基づいた重要な行動でもある。さらに重要なこととして、中国企業は、多くの国と共同でワクチン生産施設を建設し、バイオマテリアルを提供している」と強調した。
そして、「中国製のワクチンを国際的な公共財として、そのサービスを提供する責任を長期にわたって果たすことができる能力を、中国はすでに備えている。中国のワクチン製造能力は、世界のワクチン生産能力の約半分を占め、世界の健康に寄与する巨大なポテンシャルを秘めている」とした。
ワクチンの研究開発が、中国国内のワクチン産業のグローバル化を加速させたことも注目に値する。新型コロナウイルス感染の爆発的拡大が発生する前、中国国内には、康希諾生物(CanSinBIO)のエボラワクチン以外に、海外で臨床試験を行ったことがあるワクチン企業はほとんどなかった。しかし、今では、中国は複数のワクチンの臨床試験を、アラブ首長国連邦やブラジル、パキスタン、ペルーなどの国で展開してきた。科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)の不活化ワクチン「克爾来福(CoronaVac)」もその一つだ。
科興控股(香港)有限公司の楊光総経理はシンポジウムで、「国際的な協力は、克爾来福の開発において重要な役割を果たした。中国国内には、第3相臨床試験を展開できる環境がなかったため、当社は海外でそれを展開することにした。克爾来福の同試験はトルコやブラジル、インドネシア、チリなどで展開された」と説明した。
また国際的な協力により、海外現地で克爾来福を生産し、供給する態勢の構築も加速された。。楊総経理は、「海外現地で充填、パッケージング、検査、供給することで、ワクチン供給に必要な時間を短縮し、手間を省くことができる。昨年以来、当社の新型コロナワクチンは、中国やインドネシア、ブラジル、チリ、インドネシアなどで相次いで承認された」と話した。
そして、「現在、当社は年間20億回分のワクチンを生産する能力がある。中国国内には、その能力が10億回から20億回分へとステップアップしているワクチン企業が他にもある。中国のワクチンや産業の海外進出は、さらなる高みへと押し上げられ、さらに高い基準となっている」と強調した。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年4月9日