4月28日、クリスティーズ中国陶磁器・美術品部はメディアを対象に、春季オークションの作品下見会を開催した。写真は下見会で展示された黄花梨麒麟紋圈背交椅。
オークションハウス・クリスティーズ香港はこのほど、春季オークションを5月20日から28日まで、香港コンベンション・アンド・エキシビション・センターで開催すると発表した。最大の目玉は、明代末期または清代初期に作られたとみられている折り畳み式の木製椅子・黄花梨麒麟紋圈背交椅で、落札価格は800万から1200万香港ドル(1香港ドルは約14円)になると予想されている。
クリスティーズ香港の中国陶磁器・美術品部の専門家・馬睿氏によると、出品されるのは中国語で「第一人者」という意味で使われるフレーズ「第一把交椅」の「交椅」。木製椅子・交椅の特徴は折り畳み式というその構造にある。つまり、折り畳み式の椅子という概念は、中国では宋(960 - 1279年)の時代に既にあったということだ。では、なぜこのような折り畳みという独特な構造になっているのだろう?その理由は、その昔、王や貴族は外出先でも、自分が高い地位にあることを周りに示すことを望み、王座を持ち歩くことはできないため、折り畳み式の王座を作らせたからだ。古来から伝わる黄花梨交椅は約30脚あるものの、現在市場で流通し、その出所の記録があるものは今回出品されるこの1脚しかない。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年4月30日