16年間で2000キロ以上を歩き万里の長城を守る山西省の男性

人民網日本語版 2021年04月15日11:14

この16年間で、60回以上にわたり万里の長城に行き、2000キロ以上歩いているという山西省の男性・張珉さんの「万里の長城を守る旅」は今も、そしてこれからも続いていく。中国新聞網が報じた。

小さい頃から万里の長城の近くで暮らしてきた張さんは、「十数年の間に、山西省内にある戦国、漢、北朝、隋などの時代の万里の長城をほぼ全て巡った。子供の頃、祖母の家のオンドルに寝転んでいると、山頂にある烽火台を目にすることができた。高低があり、形態もさまざまなくねくねとした万里の長城の城壁を目にした時は、言葉では表すことのできないような衝撃を感じた」と話す。

竹帛口長城(写真提供・張珉さん)。

万里の長城のスケールは非常に大きく、東は渤海から、西はゴビ砂漠まで、中国の北方エリアを延々と走っている。そして主に、河北省や北京市、天津市、山西省など、15省(区、市)に分布している。山西省内には、中国国家文物局が認定した歴代の万里の長城が合わせて4266ポイント・区間あり、その長さは計1401.23キロ。ポイント・区間数は全国で3番目に多い。

数多くの万里の長城がある山西省。画像は柏楊嶺長城(写真提供・張珉さん)。

張さんは、長城周辺に住む村民に向けて、万里の長城を保護し、損壊している所を見つけたら、関連当局に通報するといったことをPRしているほか、時間を見つけては、資料を整理し、文章を作成し、一人でも多くの人に山西省にある万里の長城について知ってもらおうと努力している。「好きというよりも、ぞっこんというのがピッタリ。万里の長城は僕の命の一部」と話す張さんは、「個人でできることは限られているが、万里の長城を守るためにできる限りのことをしたい」と語る。

風化作用や水害、人為的な破壊、石碑・扁額、建築材の盗難など、万里の長城の破壊の原因はたくさんある。各地は近年、万里の長城の保護を強化しているものの、違法な採鉱や建設工事、不適切な観光開発など、その歴史的風貌を破壊する行為が後を絶たない。

季節、時間、天気、太陽光の当たり方などの違いにより、異なる表情を見せてくれる万里の長城。画像は地椒■長城(■は山の下に卯。写真提供・張珉さん)。

2016年、山西省内にある明長城の広武区間の名所「月亮門」が強風で倒壊。多くの「万里の長城」ファンが哀惜の声を上げた。張さんは、「山西省で残っている万里の長城の多くは、土を建材に用い、強く突き固める版筑という工法で作られている。倒壊の危機にある部分をできるだけ早く洗い出し、補強しなければならない。万里の長城を修復する時は、現状を変えたり、破壊的な修復をしたりしては決してならない」と指摘する。

そして、「万里の長城の調査と保護の旅は、これからも続ける。一人でも多くの人に万里の長城の価値を知ってもらいたい。普通の人、一人一人が力を合わせれば、万里の長城を守る大きな力になる」と話した。(編集KN)

「人民網日本語版」2021年4月15日

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