「中国古代銅鏡文化と芸術」創立記念シリーズ展がこのほど清華大学芸術博物館で開幕した。各時代を代表する銅鏡400枚以上が展示され、清華大学創立110周年に花を添えている。

漢代の銅鏡に刻まれた「中国強」の銘文(写真提供・清華大学芸術博物館)。
今回の展示の目玉となっているのは、「中国」の文字が銘文に刻まれている漢代の銅鏡5枚が同時に展示されている点だ。この銅鏡5枚にはそれぞれ「遊中国」、「中国安」、「中国寧」、「中国安寧」、「中国強」と刻まれており、古代の人々の中国が強く勢いが盛んなこと、国民の安寧を望む願いを示している。

展示会場の様子(撮影・肖非)。
銅鏡は中国で悠久の歴史をもち、生活に使われる実用的な道具としてだけではなく、様々なデザインや紋様、銘文などが施された文化的内包を備えた芸術品となっている。そして異なる時代の哲学や思想、文化、宗教、芸術、科学技術、民俗や歴史の移り変わりを体現する重要な文化財でもある。

漢代の銅鏡(写真提供・清華大学芸術博物館)。
「中国」という文字が最初に確認されたのは西周時代の初期の青銅器「何尊」の銘文で、そこには「余其宅茲中国」と刻まれていた。ここでいう「中国」とは天下における「中央の城」、つまり周王の暮らす場所を指した。前漢時代の中・後期になると、銅鏡に「遊中国」や「中国安寧兵不擾」、「中国大寧」といった「中国」を含む文字が刻まれ始めるようになり、この時代の「中国」はすでに国家という概念の意味が含まれるようになっていた。後漢時代にも、この種の銅鏡の銘文は引き続き用いられており、今回の展示でも目にすることができる「兵革不用中国安」や「中国寧」、「中国強」といった文字が銘文に刻まれており、当時の人々に「中国」という言葉が深く浸透していたことが見て取れる。

展示会場の様子(撮影・肖非)。
同展示は8月22日まで開催予定。(編集TG)
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