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華報道官が絶賛、国家航天局が賞を授与!話題の蘇州刺繍作家の女性とは?

人民網日本語版 2021年04月28日08:58

中華人民共和国外交部(外務省)新聞司司長の華春瑩報道官はツイッターでその作品の素晴らしさを紹介し、米国航空宇宙局(NASA)は幾たびとなく作品の買い取りを持ち掛けたものの、それを拒絶された。そんな話題を集める蘇州刺繍作家である陳英華さんは、2021年度中国宇宙の日始動並びに中国宇宙大会開幕式典の授賞式において、その刺繍作品「宇宙星空シリーズ」で、中国国家航天局(宇宙局)から「宇宙探索と芸術アイデアコンテスト」の特別賞を授与された。中国新聞網が伝えた。

刺繍作品「馬頭星雲」(写真提供・陳英華)

華春瑩報道官のツイッターキャプチャ画面

第6回「中国宇宙の日」メイン会場イベントでは、初となる科学技術と文化芸術を結び付けた公益性を備えたコンテスト・2021年「宇宙探索と芸術アイデアコンテスト」が行われた。同コンテストでは、グラフィックデザイン部門、撮影部門、服飾部門、ニューメディアアート部門といったコンテストの部門が設けられ、「宇宙+文化芸術」という業界を越えたスタイルで、科学技術と芸術を融合させた国際的なイノベーション交流・協力プラットフォームを立ち上げている。

陳英華さんに賞を授与する単霽翔氏(撮影・陶瑩)

女性刺繍作家の陳英華さんが作った刺繍作品「宇宙星空シリーズ」は世界各地からコンテストに応募したアーティスト500人の中でも、その才能が際立っていた。

「中国宇宙の日」科学普及巡回展で来場者に自身の刺繍作品を紹介する蘇州刺繍作家の陳英華さん(撮影・陶瑩)

14歳の頃から刺繍を始め、すでに30年以上刺繍を続けている陳英華さん。刺繍の道を究めるにはひたすら地道で長い月日を必要とし、毎日十数時間もの練習が必要となるため、とても退屈でつまらないとする人もいる。しかし陳さんの目にはそれが一種の楽しみと映っている。「腰を下ろして刺繍すると、心が落ち着きを得る。私はそんな感覚がとても好き」と語る。針を筆に、糸を画材にして、30年以上にもわたって、陳さんは探索と革新を続け、中国と西洋の絵画や写真と刺繍芸術を結び付け、次第に陳さん独自の刺繍芸術のスタイルを作り上げてきた。

2006年に、陳英華さんは初めて天体望遠鏡によって記録された星空の写真を目にし、宇宙の美しさに心を打たれ、蘇州刺繍を使って、この天文の織りなす景色を再現してみようと決心した。星雲の艶やかな色彩やぼうっと光った雲のようなつかみどころのない輪郭を刺繍で表現するため、様々なステッチに取り組み続け、刺繍してはやり直し、やり直してはもう一度刺繍するといったことは日常茶飯事だったという。最終的に、使用する一部のシルク糸は、ほとんどカイコが吐き出した時の糸の細さほど、一般的なシルク糸の16分の1ほどの細さの糸となった。そして2年ほどを経て、陳さんは10種類以上のステッチを用いて、刺繍ならではの芸術的な表現方法を用いて、16作品を完成させた。現在、彼女の作るこの「宇宙星空シリーズ」のデザインはすでに26作品にまで増えている。

刺繍作品「かに星雲」(写真提供・陳英華)

刺繍作品「オリオン大星雲」(写真提供・陳英華)

2012年、陳英華さんの刺繍作品「宇宙星空シリーズ」が、第28回「国際天文学連合会」で展示されると、世界の物理学者や天文学者たちを驚嘆させた。これらの刺繍作品を購入したいと出展者側からの申し出もあったが、「私はこれらの作品は中国の科学技術館か天文館で展示した方がより相応しいと思う。私は宇宙が大好きなので、これらの作品を中国にとどめて、もっと多くの中国の人々に見てもらいたい」とその申し出を断った。

陳英華さんの刺繍作品(写真提供・陳英華)

2003年から、陳英華さんは北京故宮博物院や頤和園などの刺繍文化財の複製活動にも参加し始めた。陳さんは、「故宮の文化財の色合いと技法に対する要求は非常に高く、しっかりとした基礎がなければ、とても完成できるものではない。多くの文化財はすでに本来あった色合いや美しさが失われてしまっており、それらを一つ一つ復元し、人々に見せるのが私たちの仕事。2003年から現在までに、私たちはすでに故宮博物院で100点以上の文化財を修復してきた」と語る。そして、「宇宙星空シリーズを作っていた当初、まさかこれほど多くの宇宙を愛する人々が私の作品を好きになってくれるとは思ってもみなかった。私は一人の手工芸アーティストとして、これからも現代科学技術と伝統文化を結び付け、より多くの作品を生み出し続けることで、中国の蘇州刺繍をより大きな世界へと羽ばたかせていく」と語った。(編集TG)

「人民網日本語版」2021年4月28日

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