中国の若者たちに人気の「三坑」カルチャーとは?

漢服、女子高生の制服、ロリータファッションの人気広まる

人民網日本語版 2021年04月20日10:23

ショッピングサイトにおいて、「漢服」の検索数が「シャツ」を超え、女子高生(JK)のスカートが数日で30万枚売れるなど、これら漢服とJKの制服、ロリータファッションという3種類が今、ハマってしまうとお金をどんどんつぎ込むことになるという意味から、中国で「三坑」(3つの穴という意味)と呼ばれ、一部のマニアの間だけでなく、幅広い人気を集め、年間の売上高が100億元(1元は16.65円)を超える市場に成長している。北京青年報が報じた。

ニッチな消費者から幅広い消費者へと広がり見せる「三坑」カルチャー

この「三坑」カルチャーは当初、特定のグループの間で流行していたが、ここ数年の間に幅広い人々から注目されるようになり始め、細分化されたアパレル産業の新たなジャンルを形成している。ショッピングサイト・淘宝には、漢服やJK制服、ロリータファッションなどを販売するショップが1000軒近くあり、大人気になっている。過去1年、漢服やJK制服、ロリータファッションを代表とする「三坑」市場で、購入者がそれら商品を「爆買い」したことで、その売上高は100億元に達している。

他のジャンルと異なり、「三坑」の消費者はリピート率が高く、お気に入りのショップ1軒、または数軒で頻繁に購入し、淘宝店の会員グループや画像付きレビューなどで、他の購入者と意見を交換したりして、1軒のショップが同じ趣味を持つ人が集まるたまり場にさえなっている。

そして「三坑」を販売するショップのオーナーもこうしたカルチャーのマニアであることが多い。こうしたオーナーは、トレンドや人気の傾向をよく観察している。「三坑カルチャー」の発展について、業界関係者は、「新型コロナウイルスの影響で、ボトルネックに直面してはいるものの、前途は明るい。00後(2000年代生まれ)、ひいては10後(2010年以降生まれ)の若者が入ってくると、市場はさらに拡大するだろう」との見方を示す。

JK制服を代表とする「三坑」市場の人気は過熱の一途をたどり、「三坑カルチャー」が形成されていることは、若者が他の人の目を気にせずにそれらファッションを楽しむようになっていることや若者の親らがそのようなファッションに対して、寛容な姿勢を示すようになっていることと密接な関係がある。

漢服マニアが毎年10%のペースで増加

漢服マニアの多くは90後(1990年代生まれ)、95後(95‐99年生まれ)、00後などの若者で、平均年齢は22歳から34歳。漢服ブランド「清水溪漢初」の共同創始者・湯威さんは、「中国の経済や文化が発展するにつれて、若者は中国の文化に対する自信を高め、漢服を着たり、中国の伝統要素を取り入れたおしゃれな国産商品を使ったりすることは、胸を張れることだと考えるようになっている。また、若者は新しいモノが大好きで、良いモノに対する自分の思いや体験談を他の人にシェアすることをとても好む。そのため、若者の親や教師なども漢服や中国文化の要素が詰まった商品を好むようになり、トレンドになっている」と分析する。

「清水溪漢初」オンラインショップより

漢服界のメディア「漢服資訊」の統計によると、漢服の会員だけでも453万人が登録し、毎年10%以上のペースで増加を続けている。漢服関連の事業者数も急増中で、2014年の196軒から、2017年には655軒、2020年には1518軒にまで増加し、毎年、2ケタペースで増加している。

湯さんは、今後の漢服市場の発展に対して、楽観的な見方を示し、「漢服は元々、マニアックなジャンルではなく、中国文化の一部。漢字や中国語、中国医学、食事用の陶器と同じだ。どんな大衆的なものでも、初めはユーザーが少ない。例えば、スマートフォンや新エネ車、今話題の人工知能、モノのインターネット(IoT)などもそうだ。中国の伝統要素を取り入れたおしゃれな商品が社会消費財全体に占める割合は現在、10%未満で、まだまだ発展の余地とチャンスがある。社会各界がさらに注目し、応援することを願っている」と語る。

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