中国大学統一入学試験(通称「高考」)が今月7日と8日に実施されるのに合わせて、中国の最北を走る鉄道・嫩林線は受験生専用列車K5117号「共青団号」の運行し、6日午前9時45分、内蒙古(内モンゴル)自治区呼倫貝爾(フルンボイル)市の大楊樹駅では受験生425人と保護者が体温測定、健康コードのスキャンを済ませて、列車に乗りこみ、100キロ以上離れた同自治区鄂倫春(オロチョン)族自治旗阿里河鎮の試験場に向かった。中国放送網が報じた。
受験生専用列車K5117号「共青団号」(撮影・馬俊瑋)。
中国鉄路哈爾浜(ハルビン)局集団有限公司は19年連続で「共青団号」を運行している。大楊樹鎮は、大興安嶺山脈の南麓に位置し、オロチョン族、達斡爾(ダフール)族、鄂温克(エヴェンキ)族などの集落がある。高考の試験場は、旗(県)の所在地に設置しなければならないため、大楊樹鎮の受験生は毎年、135キロ離れた阿里河鎮に行って試験を受けている。以前は、アクセスが不便で、受験生と保護者は、何度もバスや列車を乗り換えて試験場に向かっていた。そのため、会場に行くだけでも、一苦労だった。
大楊樹駅の前に設置された状元門(撮影・馬俊瑋)。
2003年、ハルビン鉄路局は、大楊樹鎮に住む受験生らの試験場に行くのが困難で、多くの費用も必要という問題を解決するべく、大楊樹駅から阿里河の試験場に向かう受験生専用列車を開設した。今年で19年目になり、これまでに、受験生と保護者延べ3万4000人が利用してきた。受験生のうち、約7000人が、厦門(アモイ)大学、内モンゴル大学などの大学に合格した。
列車に乗り込む受験生と保護者(撮影・馬俊瑋)。
受験生専用列車に乗る受験生と保護者(撮影・馬俊瑋)。
ここ19年、受験生専用列車を利用する学生の数の変化に伴い、鉄路局もサービスをアップデートしてきた。例えば、列車は窓を開けて換気するだけの「緑皮車」(従来の普通列車)から、空調設備完備の列車に変わり、蒸し暑い日でも、受験生は快適な旅で、試験場に向かうことができるようになっている。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年6月7日