衡陽智電客車有限責任公司(湖南省衡陽市)が3日に明らかにしたところによると、同社と南華大学が共同で設計開発した恒天移動ワクチン接種電気自動車がこのほど、上海国際自動車ふ頭で船に積まれて出港した。約1ヶ月かけて目的地のサウジアラビアに向かうという。このタイプの車が海外に輸出されるのは、今回が初めて。中国新聞社が伝えた。
この車は中国初の移動ワクチン接種電気自動車だ。今年5月中旬に衡陽市で正式に使用をスタートした。これまでに特許を30件以上出願した。工業・情報化部(省)の規定に基づく運転モードでの航続距離は598キロメートルに達し、電気が通じている郷・鎮、農村なら正常な使用が可能だ。
この車は移動式、完全電気、ノンステップ、スマートなどの特徴を備えたワクチン接種車であり、都市部を走る全長10.5メートルのノンステップ電気バスをベースに、新型コロナウイルスワクチン接種に関連した技術規範を踏まえて設計が行なわれた。農村での接種が困難という問題を解決し、すべての人々が接種を受けられようにするための「ラストワンマイル」を解決することが狙いだ。
同社の董楠社長は、「この車に搭載されたワクチン冷蔵庫のバッテリーは、ワクチンの貯蔵保存と監視システムの持続的な安定と安全を保障するため、自動車用電源、通常のAC電源、UPS(無停電電源装置)によって三重に保障されるように設計されている。車内のワクチン冷蔵システムと車載接種システムは、上級の疾病予防管理センターの監視システムに接続し、スマート化、コネクテッド化を実現し、監視システムにリアルタイムで情報をフィードバックすることが可能だ」と説明した。
董氏は、「すでに使用されているワクチン接種車では、現在は1日あたり平均600人の接種が可能だ。ワクチン接種車がワクチンを運んで農村に向かうことは、大勢の人々が一ヶ所に集まり列を作って接種を受けるよりもよく、特に一部の国の土地が広く人口密度の低いエリアにより向いている。各国の新型コロナワクチン接種率がますます高くなるにつれ、ワクチン接種車も一層重要になるだろう」と述べた。(編集KS)