中国国家林草局によると、近年、中国が生態保護や密猟撲滅などを強化しているのを背景に、中国のチルーの個体数は1980-90年代の7万匹未満から、現時点で約30万匹にまで回復した。その結果、絶滅危惧種から近危急種へと引き下げられた。
チルーは中国の国家一級保護動物に指定されており、新疆維吾爾(ウイグル)自治区の阿爾金(アルチン)山や西蔵(チベット)自治区の羌塘(チャンタン)高原、青海省の曲麻河などに生息している。チベット高原の基礎的な種であり、同高原に生息する代表的な動物でもある。チルーはチベット高原自然生態において、極めて重要な位置を占めており、生態バランスの維持においても非常に重要な役割を果たしている。
中国科学院三江源国家公園研究院学術院長の趙新全氏によると、「植生の生産力が高まっており、2000年と比べて約30%増となっている。生物の多様性も劇的に回復しており、チルーの個体数は20年前の約2-3倍になっている。その他、チベットノロバやヤク、クチジロジカなどの個体数も急激に回復している」という。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年8月10日