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河南省で世界最古の「造幣局」が発見

人民網日本語版 2021年08月09日15:20

鄭州大学考古学チームによると、炭素14年代測定法の確認を経て、河南荥陽官荘遺跡鋳銅作業場で紀元前640-550年にかけて、標準化された金属貨幣の鋳造活動が開始されたことが分かった。このデータは中国の早期造幣遺跡の絶対的な年代情報を初めて提供した。これにより、官荘遺跡は世界で知られているうち最も古い造幣作業場になった。新華網が伝えた。

河南省荥陽市に位置する官荘遺跡は、保存状態が良好な西周〜春秋時代中期の都市遺跡だ。約紀元前800年に建設が始まり、紀元前450年に打ち捨てられた。2010年に発掘されて以降、この遺跡からは広い面積の手工業作業場が見つかっている。作業場内の手工業活動には、鋳銅、製陶、製骨など複数の種類が含まれる。

鄭州大学考古学リーダーの韓国河教授は、「官荘遺跡の青銅鋳造作業場は大城内の中北部に位置し、敷地面積が広い。その発掘により、空首布幣の完成品、未使用の芯范、使用済みの芯范、外范という4種類の布幣鋳造関連の遺物が見つかった」と説明した。

官荘遺跡考古学チームを率いる郜向平氏は、「遺跡の現場では、鋳銅廃棄物を捨てる多くの穴が見つかった。そのうち1つの穴からは2枚の金属貨幣の完成品が見つかった。うちナンバーがSP-1の金属貨幣は復元後の長さは143ミリメートル、幅は63.5ミリメートル。官荘遺跡で見つかった貨幣は空首布と呼ばれ、春秋戦国時代に流通した貨幣であり、中国の最も古い金属貨幣の一つでもある」と述べた。

炭素14年代測定法の確認によると、官荘遺跡の鋳銅活動はおよそ紀元前814-750年に始まった。その後の約150年内に青銅鋳造作業場は主に青銅の礼器、兵器、車馬器などの製品を集中的に生産した。貨幣の鋳造活動は紀元前640-550年に始まった。作業場は青銅の礼器や兵器などの生産を継続すると同時に、標準化された金属貨幣の鋳造を開始した。

このデータは初めて中国の早期造幣遺跡の絶対的な年代情報を提供した。同時に官荘遺跡は炭素14年代測定法によって確認された世界最古の貨幣作業場遺跡になった。この研究成果は国際的な考古学誌「Antiquity」に掲載された。

古代中国で最も早く貨幣として使われたのは貝殻で、紀元前770年頃に形状の異なる金属が貨幣として使われるようになったとする学者がいる。郜氏は「刀・シャベル型、橋牌銭といった貨幣は農業道具の派生品で、これらの道具を使い取引できた」と述べた。

韓氏によると、標準化された金属貨幣の鋳造開始は、人類の経済発展の歴史における極めて重要な時だ。貨幣鋳造作業場遺跡は貨幣の生産年代の研究に明確な考古学的背景を提供できるだけでなく、金属貨幣の発展プロセスにおける社会・経済のメカニズムも反映できる。(編集YF)

「人民網日本語版」2021年8月9日

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