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【イラストで知ろう!イマドキ中国】中国的珈琲事情

第32回

人民網日本語版 2021年08月27日09:16

生活にゆとりが出てきた中国では、嗜好品に対するニーズが貪欲なほどの高まりを見せている。以前は飲み物といえばお茶がメインだった中国でも、コーヒーに対する認識が次第に変化を見せ、今や若者を中心にコーヒーを味わい、楽しむようになってきている。今回はそんな中国におけるコーヒー人気を紹介していこう。人民網が伝えた。

コーヒーに対する認識は「あの茶色くて苦いやつ」

海外のコーヒーチェーン店が中国大陸に進出するまで、中国のほとんどの地域においては、コーヒーはミルクも砂糖も最初から入っているインスタントコーヒーか、ホテルラウンジにあるカフェテリアやビュッフェで飲むものというのが相場だったと言っても過言ではない。会社でインスタントのブラックコーヒーを飲んでいると、中国人の同僚からはミルクと砂糖を入れないことにまず驚かれ、「中医薬の煎じ薬みたいに苦いよね?」と言われたものだった。

コーヒーそのものよりも「カフェにいる私」

米国生まれのスターバックスが中国大陸に進出したのは1999年のこと。そしてあっという間に店舗を増やしていった。とはいえ、当初は他の物価に比べるとかなり割高な「あの茶色くて苦いやつ」にどれほどの人がお金を出して飲みに行くのだろうと思った人は少なくなかったに違いない。それでもスタバの醸し出す独特の「イケてる」感は若者たちにとってあこがれの存在となり、コーヒーを飲みに行くというよりは「スタバにいる私」を求め、カップルや学生たちがスタバに押しかけた。そして2006年に上海から中国進出を果たしたイギリス生まれのコスタコーヒーが追い上げるように店舗を増やし、コーヒーチェーン店と言えば、スタバかコスタという二大勢力となったかに見えていたコーヒーチェーン業界に、異変が生じたのは2018年。その前年に創業した中国のスタートアップ企業ラッキンコーヒーがオフラインマーケティングとオンラインマーケティングを組み合わせて多数のユーザーを集め、最新の手法でユーザーの拡大に取り組んだからだ。スマホがないと注文できないこのスタイルはスマホ決済やデリバリーは「標準装備」という中国の若者たちにすんなり受け入れられ、破竹の勢いで店舗を増やしていった。

「どんなコーヒーを飲んでるか」が大事

こうしてコーヒーを飲むことが広まっていったことで、次第にその味にこだわりを持つ人々も増えていった。つまり世界におけるファーストウェーブ、セカンドウェーブ、そしてサードウェーブといったコーヒー文化の変遷を、中国はほとんどこの30年ほどで一気に駆け抜けてきたことになる。都市部には次々と本格派を謳ったオシャレなカフェが増え、そしてそれらのカフェを訪れるのは、店の雰囲気を楽しむ人以上に、出されるコーヒーの味を目当てに集まる人たちだ。

また昨年あたりからネットショップで人気を集めているのが、1回分毎に小分けされたフリーズドライ製法のインスタントコーヒー。そのかわいらしいパッケージだけでなく、味も本格的ということで、決して安くはないにも関わらず、若者たちの間で高い人気を見せている。これは新型コロナで、自宅でコーヒーを楽しむ機会が増えたことも影響していると言えるだろう。

中国におけるコーヒーの「あの茶色くて苦いやつ」からの目覚ましい変化は、この国の経済を始めとする様々な面での発展と同じようにスピーディで劇的というにふさわしい。この記事を書くにあたり、私も早速ネットで話題のフリーズドライ製法による小分けタイプのインスタントコーヒーを注文した。今はその到着を楽しみに待っているところだ。(文・イラスト・玄番登史江、袁蒙)。

イラストで知ろう!イマドキ中国

人民網ではもっと身近なスタイルで今どきの中国を読者の皆さんに知ってもらうため、「つるにはまるまるむし爺さん」と「へのへのもへ郎」、「へめへめくつ美」の3人が流行語やカルチャー、時事問題など幅広いジャンルにおける「イマドキ」を紹介。中国ってこんな国なんだ!と興味を抱き、理解を深めるきっかけにしてみてください。 

「人民網日本語版」2021年8月27日

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