中国の指紋認証の新技術、皮下3ミリの生体情報を取得

人民網日本語版 2021年08月25日13:58

3Dプリント技術や特製の材料などを利用し指紋を作ることで、携帯電話や指紋ロックを解除する。このような手法はすでに映画の中の出来事ではなくなり、現実になっている。現在最も広く使用されている生体認証技術としての指紋認証は、多種多様な攻撃及び認証率の向上が必要という2つの課題に直面している。科技日報が伝えた。

浙江工業大学によると、同大のコンピュータ科学・技術学院の梁栄華教授のチームと公安部(省)第一研究所が協力し、次世代手指内部マルチモード生体的特徴取得技術とそれに対応する機器・設備を開発した。手指の皮膚表面から深さ1-3ミリメートルまでの情報を取得し、内部指紋を含む高分解能3次元皮下構造情報を収集できる。指紋認証の安全性を高めるうえ、指紋情報収集の効果が低いといった問題点を解決した。関連する研究成果は「IET Image Processing」に掲載された。

手指を指紋認証装置に置くと、接続しているディスプレイに皮膚表面と内部の指紋及び汗腺・毛穴を含む立体スキャン映像が映し出される。浙江工業大学スマート感知・システム教育部工学研究センターの実験室内には、チームが開発した新型手部生体的特徴取得装置の試作機があった。

指の先端の皮膚は主に表皮層と真皮層からなる。表皮層には皮膚の表面の指紋があり、一方で、角質層と活性表皮層の間には表皮連結部分があり、その揺れ動きは人の指先の内部指紋を示すことができる。

チームのメンバーで、浙江工業大学コンピュータ科学・技術学院2020年入学の博士課程学生の于洋氏は、特製の偽造手指と指紋膜を使い試した。ディスプレイを見ると、内部指紋と皮下の3次元構造のデータがないため、偽造手指の映像は薄い1層のみだった。つまり有効な情報はその表面の人造指紋だけだった。

チームのメンバーで、浙江工業大学コンピュータ科学・技術学院の王海霞准教授は、「手指の皮下生体的特徴には、皮膚内部組織の構造的特徴が複雑であるため偽造が非常に難しいというメリットがある。人工的に偽造された指紋膜は表面の指紋しかなく、皮下指紋情報や汗腺などの情報がないため、従来の指紋認証技術の不備を補える」と説明した。(編集YF)

「人民網日本語版」2021年8月25日

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