世帯の貯蓄データを見ると、次の2点がやはり注目される。1つ目は中国人が昔より貯蓄好きになったこと。2つ目は貯蓄の多さと投資ルートの少なさとの間に一定の関係があることだ。
同「年鑑」によると、20年末現在、全国の世帯の貯蓄残高は93兆4400億元だった。中研普華産業研究院の研究報告書の指摘では、このデータは同年の中国の国内総生産(GDP)の91.2%にあたり、貯蓄率は高い。このうち人民元建ての一世帯当たり貯蓄残高は同13.9%増の92兆6千億元だった。
同「年鑑」の一人当たり消費支出に関する別のデータからも、中国人は昔より貯蓄好きになったことがわかる。全国一人当たり消費支出は14年以降で初めて減少し、31省(自治区・直轄市)のうち、20ヶ所で減少したという。
注目されるのは、一人当たり貯蓄額が多い都市のうち、瀋陽が広州、深センの両一線都市を上回り、太原、唐山、烏魯木斉(ウルムチ)などの都市が上位に並び、一人当たりGDPがより多い泉州や東莞などは下位に沈んだことだ。
アナリストは、「これは地域ごとの投資の傾向、投資ルートと関係がある。南方の都市は民間経済が発展し、より多くの人の貯蓄が資産運用や投資分野に回り、銀行に預けられることはない。実際、現在のような市場の金利が低下する環境の中では、銀行の預金金利も低下傾向にあり、人々は多様な投資ルートによる資金の配置をより必要としている」と指摘した。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年12月6日