中国の2021年の統計年鑑が発表されるのに伴って、大都市の一人当たり貯蓄額に関するデータがしきりに検索されるようになった。第一財経網が伝えた。
このほど発表された「中国統計年鑑2021」、各地の統計年鑑、統計年報で明らかになった世帯の貯蓄残高と2020年第7回国勢調査のデータから計算すると、2020年には中国の11都市で一人当たり貯蓄額が10万元(1元は約17.8円、約178万円)を超え、北京、上海、杭州、瀋陽、広州、太原、天津、深セン、大連、南通、南京となっている。
このうち北京が最高で19万6千元に達し、次は上海の14万8千元、新一線都市の杭州が11万9千元で3位だった。
3都市に続く4位は東北地域の瀋陽で11万4千元、太原と広州は5位でいずれも11万1千元、天津が7位、深センが9位だった。
(北京の)3人家族の場合、一人当たりの金額に人数をかけると60万元ほどになると計算するネットユーザーがいて、「自分はこんなに持っていない。自分のせいで一人当たりの金額が下がっているかも」と苦笑した。
北京の一人当たり貯蓄額19万6千元 ここまで貯めるのに6.43年
別のネットユーザーは、「都市によって生活コストの開きはとて大きく、20万元の貯蓄があっても北京なら住宅購入や子育ての負担を前にして焼け石に水に過ぎない」と述べた。
こうした見方には合理性がないわけではない。生活のための負担も都市ごとに非常に大きな開きがある。一人当たり貯蓄額データを統計年鑑のほかの2つのデータ指標と比べてみると、平均値と実際の状況との差がより説明できるかもしれない。
同「年鑑」によると、20年には北京と上海の一人当たり可処分所得が全国トップレベルとなり、上海は7万2200元で北京を上回り1位、北京は6万9400元で2位。これに対応するように、北京と上海は一人当たり消費支出も全国トップで、北京が3万8900元、上海が4万2500元だった。
個人の可処分所得とは、個人が最終消費支出と貯蓄に回すことのできる資金の総和で、つまり個人が自由に使える収入のことだ。そのため一人当たり可処分所得から一人当たり消費支出を差し引いて計算すると、20年の北京の一人当たり貯蓄が3万500元以内、上海が2万9700元以内にとどまることが容易に推測される。
インフレなどの要因を考慮せず、20年のデータだけで計算すると、北京では一人当たり貯蓄額19万6千元を貯めるのに6.43年かかり、上海では一人当たり貯蓄額14万8千元を貯めるのに4.98年かかることになる。
中国人は昔より貯蓄好きになった