六中全会

本当に増えているうつ病患者の数

人民網日本語版 2021年12月30日15:43

うつ病は、現在最もよく話題となっている精神疾患と言ってよい。多くの人がうつ病に注目し、話題となる中、「うつ病患者は本当に増えているのだろうか?それとも、話題になることが多いため、流行病のように感じるだけなのだろうか?」と疑問に思っている人も多いかもしれない。中国青年報が報じた。

北京大学第六病院臨床心理科の主治医・姜思思医師によると、世界保健機関(WHO)の統計では、2005年から2015年までの10年間、世界でうつ病と診断された人の数は18.4%増えたのに対して、世界人口は12.7%増だった。つまり、世界のうつ病患者の増加ペースは、人口増加ペースを大きく上回っているということだ。中国衛生健康委員会の統計によると、中国のうつ病有病率も上昇傾向にあり、12ヶ月有病率(過去12ヶ月間に診断基準を満たした人の割合)は2.1%、生涯有病率は3.4%に達している。

姜医師は、「高い有病率に対して、うつ病の識別率、治療率は明らかに不足していることは懸念材料」と指摘する。2021年、ランセット-精神医学(The Lancet Psychiatry)に掲載された最新統計によると、うつ病患者の回答者のうち、「精神・心理関係の治療を受けたことがある」のは9.5%、「十分な治療を受けた」のはわずか0.5%だった。

うつ病になりやすいのは?

姜医師によると、うつ病の有病率には男女差が存在する。青少年早期に発病したグループのうち、女性個人の有病率は男性の1.5‐3倍だった。また、グループ全体を見ても、女性の有病率は男性の約2倍となっている。

うつ病もほとんどの精神疾患と同じで、ほとんどが人生の早い段階で発症し、各種うつ病の最も若い発症年齢は約14歳だ。18-29歳の個人の有病率は60歳以上の個人の3倍となっている。

姜医師は、「性格が明るい人に比べて、ネガティブ、内向的、神経質な性格の人のほうが確かにうつ病になりやすい。子供の頃に非常にショッキングな出来事を経験した場合、大人になってからうつ病になるリスクが高まる。また、人生において大きな挫折を経験するなど、大きなストレスにさらされた時も、うつ病を発病する原因になる。その他、うつ病には一定の遺伝リスクもある。もし、一親等の中にうつ病の人がいれば、うつ病になるリスクは普通の人の2-4倍になる」と説明する。

うつ病になった場合の対策は?

姜医師は、「うつ病になったのではと感じた時は、必ず正規の専門病院や総合病院で診察を受けるようにしてほしい。もし、軽度のうつ病と診断されたなら、心理的なコンディションを整えるために自分でできるようなことをしてもいいし、心理療法を受けたり、薬を飲んだりしてもいいだろう。一方、中度や重度のうつ病と診断された場合は、薬物治療をベースにして、心理療法を組み合わせて治療したほうがよい」とアドバイスしている。

気分が晴れず軽度のうつ病の可能性があるものの、病院には行かずに自分にできることをして治したいと思う人は、▽禁煙・禁酒する▽健康的で規則正しい睡眠習慣を保つ▽健康的でバランスの取れた食習慣を保つ▽よく運動をする▽ひとりで閉じこもらず、誰か他の人と一緒に過ごすようにする▽規則正しい生活を送る――などを実践することができる。こうした原則は、すでに医師に相談し、薬物治療を始めている人にも効果的だ。医師に処方された薬を飲み続けることを前提に、試してみるといいだろう。(編集KN)

「人民網日本語版」2021年12月30日

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