国家衛生健康委員会の定例記者会見が1月20日に開かれた。
記者会見において、「国家統計局が1月17日付で発表した全国人口統計データを見ると、『第7回人口センサス』のデータおよび国家統計局のデータから、中国の人口は、この数年、減少傾向にあることが分かる。この原因はどこにあるのか」という質問が出た。
国家衛生健康委員会人口家庭司の楊金瑞副司長は、この質問に対し、「出生数の減少は、さまざまな原因が複合的に影響し合った結果である」として、以下の通り原因を列挙した。
1.出産適齢期にある女性、とりわけそのピークにある女性の数の減少
「十三五(第13次五カ年計画:2016-2020年)」期間中、出産ピークにある20歳から34歳の女性が年平均340万人減少した。2021年は2020年より473万人少ない。これが、出生数減少をもたらした重要な原因となった。
2.結婚・出産に対する若年層の考え方に著しい変化
現在、結婚・出産の主力軍は、「90後(1990年代生まれ)」と「00後(2000年代生まれ)」となっている。彼らの圧倒的多数は、都市部で働き、高学歴化が進み、直面する競争のプレッシャーがより高まっていることから、結婚・出産が遅れるという現象が際立っている。晩婚化が進んだことで、女性が一生独身のままでいる可能性が高まり、出生率がいっそう抑えられる傾向となっている。また、出産願望も低レベル状態が続いており、出産適齢期にある女性が一生の間に産みたい子供の数は、2017年時点では1.76人だったが、2019年では1.73人に、2021年では1.64人にまで減少した。
3.出産・子育て・教育コストの高さが二の足を踏む原因に
経済と社会が発展するにつれて、住宅、教育、就職など複数の影響を受け、出産・子育て・教育にかかる費用が高いままの状態が続いていることも、若年層が子供を持つことに二の足を踏む原因となっている。子育て支援策は実際的な効果につながることはなく、託児などの公共サービスは完備されているとは言えないことから、多くの若年層は、出産・子育てに踏み切る決心ができず、尻込みしている。
このほか、新型コロナウイルス感染拡大も、一部の人々の結婚・出産観に少なからぬ影響を及ぼしている。(編集KM)
「人民網日本語版」2022年1月21日