国家発展改革委員会と国家エネルギー局はこのほど「『十四五』新型蓄エネ発展実施案」を通達した。2025年には新型蓄エネを商業化初期から規模化発展の段階に入り、大規模な商業化応用条件を備えるようにすると打ち出した。そのうち蓄電池技術の性能をさらに高め、システムのコストを30%超削減する。30年には新型蓄エネを全面的に市場化発展させるという。人民日報が伝えた。
新型蓄エネと揚水式発電は、新型電力システムを支える重要技術と基礎設備だ。分かりやすく言えばこれはモバイルバッテリーのようなもので、電力消費が少ない時間帯に充電し、ピーク時に放電する。太陽光発電と風力発電の不安定さを補い、再生可能エネルギーが占める割合を高められるほか、一般的な火力発電や原発などの電力源に合わせ、電力システムの運営にピークカットといった補助サービスを提供し、電力システムの柔軟性を高めることができる。
第13次五カ年計画(2016−20年)以降、中国の新型蓄エネは研究開発・モデル実証から商業化初期への移行を実現し、実質的な進歩を実現した。21年末の新型蓄エネ累計設備容量は400万kW超。国家エネルギー局の関係責任者の説明によると、電力システムの調節能力の需要拡大、新エネ開発・利用規模の拡大に伴い、特に砂漠地帯における大型風力・太陽光発電拠点プロジェクトの集中的な建設を背景に、新型蓄エネ建設は工期が短く、設置先を柔軟に選べ、調節能力が高く、新エネ開発・利用とマッチしやすく、優位性が徐々に際立つようになっている。先進蓄エネ技術の規模化応用の推進加速が必然的な流れとなっている。
同実施案は(1)蓄エネ技術のイノベーションの体系的な計画の重視(2)モデル実証による産業発展のけん引の強化(3)規模化発展による新型電力システムの建設のサポート(4)体制・メカニズムによる市場化発展促進の強調(5)新型蓄エネ管理体制健全化の注力(6)国際協力による競争優位性向上の促進――という6つの方向に焦点を当て、第14次五カ年計画(2021−25年)の新型蓄エネ発展の重点任務を明確にした。
同実施案は一般社会が注目する新型蓄エネの安全問題について、新型蓄エネの技術基準、管理、モニタリング、評価体制を構築・健全化し、新型蓄エネプロジェクトの建設・運営の全過程の安全を保証すると打ち出した。コストの面では、「新エネ+蓄エネ」への支援強化を通じ、電力網側の蓄エネ価格誘導メカニズムを整備し、ユーザー側の蓄エネ発展の価格メカニズムを整備・奨励することで、新型蓄エネコストを合理的に誘導する。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年3月22日