食卓に並ぶ野菜や果物は「宇宙の旅」をした種の子孫かも? 中国

人民網日本語版 2022年04月26日11:05

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中国の宇宙事業をめぐるテクノロジーは継続的にブレイクスルーを実現し、それが人々の日常生活にも変化をもたらしている。一般の人が宇宙に行くことはないものの、普段食べている野菜や果物はもしかすると宇宙の旅をした種の「子孫」かもしれない。最近では、種1万2000粒が宇宙飛行士3人と共に中国の宇宙船「神舟13号」で宇宙を旅して地球に帰還した。こうした種を植えて育てるとどうなるのだろうか?「宇宙の旅」をした種を使った育種の成果のうち、広く普及しているものにはどんなものがあるのだろうか?中国中央テレビ局(CCTV)のビジネスチャンネルが報じた。

「宇宙育種」の成果はすでに一般家庭の食卓まで

海南宇宙飛行プロジェクト育種研究開発センターのエンジニア・姚彤氏は、「宇宙の放射線を浴びると、ほぼ重力のない微小重力環境下で、種の遺伝子のDNA配列が変わる。そして、色や果実の大きさ、形、口当たり、生産量、耐病性などが変化する。それを地上で3-5年かけて栽培していき、優良品種を選択して育成するという作業を何度も続けていく」と説明する。

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同センターはここ10年、普及させる価値のある作物20種類以上を育種してきた。例えば、宇宙の旅をしたバナナの種を使って開発した「航蕉1号」は、生産量が約2倍に増えただけでなく、バナナの生長周期も13ヶ月から9ヶ月まで短縮された。この他にも、含まれているビタミンCの量が1.8倍に増えたトウガラシや生産量が3割増えたトマトなどもある。

スタッフは取材に対して、「種を宇宙船に載せ、実際に普及させる品種ができるまでに約3-5年かかる。こうした『宇宙育種』により開発され、成熟した品種はすでに実験が行われる田畑における『観賞品』ではなくなり、都市に出荷され、高値で販売され、一般家庭の食卓に並ぶようになっている品種もたくさんある」と説明する。

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姚氏は、「北京市場で販売されているイチゴの30%は『宇宙イチゴ』。卵ほどの大きさがその特徴だ。『宇宙育種』を通して開発された野菜や果物は食べても絶対に安全」と強調する。

1987年から始まった中国の「宇宙育種」 経済効果は2000億元以上に

中国が1987年に初めて植物の種を宇宙に運んでから現在に至るまで、その作業は30回以上繰り返されてきた。そして、認定された新品種は200種類以上あり、栽培総面積は240万ヘクタールを超えている。中国が現在育成している品種の数や普及、応用範囲は世界トップに立っており、経済効果は2000億元(1元は約19.5円)以上に達している。経済効果が高いだけでなく、「宇宙育種」は、新種遺伝資源の補充という面でも大きく寄与している。

姚氏は、「中国の宇宙ステーションが作られたので、今後さらに多くの品種の植物を宇宙に運び、そこにさらに長い時間置いておくことで、さらに多くの植物の品種開発につなげることができる」と説明した。(編集KN)

「人民網日本語版」2022年4月26日

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