新型コロナウイルス感染拡大が深刻な上海市では現在、市民や生活必需品を供給する人員、出勤を再開した人々のPCR検査需要が高まっており、できるだけスピーディーにスクリーニングし、陽性者を早期発見すべく、同市は地域の人口密度や機能、位置付けなどに基づいて、PCR検査会場を設置できるよう取り組んでいる。また、「固定の検査会場+便利な検査会場+移動式検査スポット」を組み合わせたスタイルを採用し、常態化している検査の会場を統一して設置している。中央テレビニュースが報じた。
上海市閔行区曹行村ではここ数日、スマートPCR検査車が投入されている。検査車は団地の中に入って各棟の入り口まで行くことができ、防疫スタッフの負担を軽減できるほか、人が集まる状況を減らして感染リスクを大きく軽減し、上海市民の間での評判も高い。
このスマートPCR検査車は、上海人工知能研究院が関連の提携企業と連携して緊急で作り上げた車両で、今月16日午後4時に、山東省済南市から出荷され、翌17日早朝に上海市嘉定集散センターに到着した。その後、レッカー車で上海閔行区まで運ばれ、使用方法の説明が行われた上で、引き渡された。
PCR検査車の幅は1.5メートル以下、高さ1.9メートル、長さ3.5メートルと非常にコンパクトであるため、古い団地や棟と棟の間が狭い団地などでも、楽々と走行できる。医療従事者は車内から、窓に開けられた2つの穴から手を伸ばして検体採取を行うことができる。このような「車が移動し、人は移動しない」スタイルなら、住民が接触して感染するリスクを最大限軽減することができるだけでなく、医療従事者を感染から守ることもできる。
検体採取終了後、スマートPCR検査車は検査機関に直接輸送することができ、中継速度も大幅に向上している。また、毎回、検体採取と検査機関への輸送が終わるたびに、車内の紫外線消毒機能を起動させて、車両内部の消毒を行うこともできる。このPCR検査車はすでに、上海市の浦東新区、長寧区、閔行区の一部の街・鎮に投入されている。
PCR検査車のほか、同じくコンパクトなスマート消毒防疫配送車も近く投入される計画だ。同車両のラゲッジスペースには、紫外線や消毒液噴射による消毒設備が搭載されており、物資や宅配便の配送途中でも消毒と殺菌ができるようになっている。生鮮食品や野菜などは紫外線で消毒し、一般の物品は消毒液を噴射して消毒が行われ、「ラスト1キロ」の安全な配送を実現。ボランティアの負担を軽減するほか、物資などに接触して感染するリスクを大幅に軽減できると期待されている。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年4月25日