新型コロナウイルス感染症との闘いにおいて、中医薬は常に重要な役割を果たしている。一部の中医薬療法は感染者の治療やリハビリにおいて高い効果があることが分かっており、独特な優位性を備えていることを示し、新型コロナウイルス肺炎診療案にも組み込まれ、中国全土の新型コロナウイルス対策の貴重な経験となっている。人民日報が報じた。
上海市老年医学センター臨時隔離病棟に入院している93歳の女性・王さんが最近、発熱した。王さんは脳卒中が原因で長年半身不随で、摂食・嚥下も困難な状態だった。王さんが発熱したことを知った医師は直ちに、熱冷ましや解毒作用のある中成薬(中医薬・生薬製剤)を煎じ薬にして、4時間おきに一口から二口服用させることで、咳き込むことがないようにしながらも、薬の効果が出るようにした。すると、2日後に熱が下がり、CT検査に異常はなく、血液検査も全て正常値に戻った。
方艙医院(臨時医療施設)に入院する50代の女性・張さんが、「先生、耳鳴りと耳垢栓塞がひどいんです」と、武漢市中医学病院の上海支援医療チームのリーダー・丁念医師に助けを求めたため、丁医師は同僚と共に、張さんに鍼灸治療を行った。すると、十数分後に、耳鳴りの症状がかなり緩和し、張さんは丁医師に感謝していた。
上海市衛生健康委員会の関連責任者によると、上海は中医学と西洋医学、中医薬と西洋医薬を結び合わせる治療をずっと続けている。また、指定の医療機関に派遣された中医学医師222人が第一線で治療に当たっている。方艙医院でも中医学医師2000人以上が治療に当たっている。その他、感染者の中医薬の使用率は98%以上に達している。臨床初期データは、症状の悪化を防ぐ面で、中医薬には独特の優位性が備わっていることを示している。
上海市の多くの中医学病院はすでに、新型コロナウイルス肺炎中医学リハビリ診察を開設し、子供や妊婦、高齢者、基礎疾患のある人などを含む重点グループや一般のリハビリが必要な回復者に中医学リハビリサービスを提供している。
上海市衛生健康委員会の関係責任者によると、上海は中医薬のメリットを十分に活用しており、採用範囲は、重点グループから、隔離地点や封鎖管理されている街・鎮、団地、ビルへと少しずつ拡大しており、新型コロナウイルス治療用の煎じ薬や10種類以上の中成薬を活用している。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年4月25日