ロシア・ウクライナ紛争、エネルギーの供給不足、経済低迷などの影響を受けて、ユーロ圏に珍しい状況が起きている。現地時間の14日、欧州の外国為替市場でユーロの対米ドルレートが一次、1ユーロ0.9953ドル(1ユーロは約139.7円、1ドルは約138.5円)まで低下して、約20年ぶりの最低を更新したのだ。
多くの専門家が、「ユーロの下落は米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ後の米ドル急速な上昇と直接関係があるが、その背後には欧州経済が抱える懸念など複数の要因がある。その一方で、最近の人民元相場は双方向の動きが合理的な水準に収まり、ユーロ下落の影響をまだそれほど受けていない」との見方を示す。
ユーロはどこまで下がるのか。ドイツのニューステレビによると、ひとたび平価を割り込めば、極端な場合、1ユーロ0.95ドルまで下がる可能性があり、そうなれば「強烈な一撃」を食らうことになるという。専門家は、「欧州の通貨が引き続き値下がりするか回復して値上がりするかは、ロシアの天然ガス供給がどうなるかに大きく左右される」との見方を示す。
ユーロ下落は人民元相場にもある程度反映されている。14日の取引中、ユーロの対人民元レートは1ユーロ6.76元(1元は約20.5円)になり、年初の7.2元前後に比べて目に見えて低下した。その一方で、人民元の対米ドルレートは強靱性を維持しており、相場は落ち着きを見せる。
為替変動は通常は貿易に直接的な影響を与える。今年第1四半期(1-3月)には、中国-欧州連合(EU)間の輸出入額は前年同期比10.2%増の1兆3100億元に達した。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年7月16日