国際シンポジウム「アジア人権フォーラム――環境、気候変動と人権」が27日、2日間の日程を終えて閉幕した。同フォーラムにはアジア20数ヶ国・地域の専門家や学者が参加し、人権分野での西側諸国による言説の覇権に対抗するため、アジア諸国のコンセンサス形成を呼びかける声が複数の学者から上がった。中国新聞社が伝えた。
■人権分野の単一的視点を打破
中国政法大学法学部の孫平華教授は「西側の人権観は『弱肉強食、適者生存』という社会ダーウィニズムの影響を受けて、すでに思考パターンが固まっている。例えば、一部の国々は事あるごとに武力や制裁を用いる」と指摘。
孫教授は「実際の行動を見ると、欧米諸国はアジアや他の国々の人権の成果に本当に関心があるわけではなく、道義的に優位に立ち、人権を他国を叩く道具にしようとしている」と分析。「こうした言説の覇権に対し、アジア諸国はより多くのコンセンサスを形成し、人権分野の単一的視点を打破しなければならない」とした。
南開大学人権研究センターの常健センター長も同様の見解を示し、「西側の価値観が長期にわたり主導的立場にあり、『アジアの声』は十分に表明されることがなく、しばしば不利な立場に置かれている。従って、アジア諸国がアジアの文化的伝統と現実的必要性に基づき、人権に関するコンセンサスを形成して、アジアの価値理念の正当性を世界に詳しく説明することが急務だ」とした。
■コンセンサス形成の土台はすでにある
すでにアジア諸国には、人権に関するコンセンサスを形成するための土台が少なからずある。例えば「アラブ人権憲章」「ASEAN人権宣言」「アジア国家人権憲章」などによって、人権に関するコンセンサスは準地域や地域間の形である程度形成され、表現されている。
だが、これを土台にしてさらに一歩進み、欧州やアフリカのような人権関連の制度化された取り決めを確立しようとするのであれば、アジアが歩む道のりはまだ遠いというのが、出席した学者らの一致した認識だ。
「アジア諸国間にはイデオロギーの溝、領土紛争、戦争の歴史の問題などがある。障害を克服してコンセンサスを形成するには、より合理的な目標と、より有効な戦略が必要だ」と常センター長は指摘した。
■中国が積極的役割を発揮
フォーラムでは、アジア諸国が現在のチャンスをしっかりと捉え、適切な方法を採用して人権に関するアジアのコンセンサスを形成し、さらにこれによって各国の政治的相互信頼、経済の持続可能な発展、社会の持続的安定を促進するよう呼びかける声が、複数の学者から上がった。
孫教授は「『世界人権宣言』の起草の際、それに加わった中国の張彭春代表は、儒家哲学思想を堅持し、文化多元主義を尊重した。言い換えるなら、現有の国際的な人権に関する言説体系には人権に関する中国の豊かな理念と主張が含まれている」と指摘。「人権は西側諸国の専売特許ではない。より合理的で公平な国際人権ガバナンスの新秩序を構築するため、中国各界は引き続き貢献していく」と語った。(編集NA)
「人民網日本語版」2022年11月28日