求人サイト・智聯招聘が最近発表した「95後(1995-99年生まれ)の人材にとって魅力ある中国の都市ランキング:2022」によると、95後が就職や起業する都市を選ぶ際、都市を跨いで流動することを好んでいるほか、新興業界を好んでいるという特徴があった。またランキングトップ10に入った都市は北京、深セン、上海、広州、杭州、南京、蘇州、成都、武漢、仏山だった。人民日報海外版が報じた。
では95後の留学帰国者は、就職や起業する都市を選ぶ時、また職業を選ぶ時、どんな要素を考慮に入れているのだろうか?
一線都市の人気は衰えず
智聯招聘が発表している関連データによると、人材の流入と流出の割合では、95後の東部エリア流入の割合は60.4%で、人材全体の58.5%をやや上回った。また、都市群を見ると、95後の長江デルタや珠江デルタ、京津冀(北京市・天津市・河北省)といった都市群で就職や起業するという考えが、他の年齢層よりも強くなっている。
オーストラリアの大学で修士課程を修了した1997年生まれの汪子寧さんは、「北京の4年制大学を卒業したので、北京には思い入れがあり、その暮らしにも慣れている。オーストラリアで留学している時の同級生の多くも帰国後は一線都市で働くことを選んだ。北京には幅広い分野の就職のチャンスがあるし、日常生活の色々な面でも国際的。留学帰国者にとっては優れた選択といえる」と話す。
「智聯招聘」の課題グループの専門家は、「95後は中国の経済が急速に生長する時代に育った。恵まれた家庭で育った留学帰国者も多く、卒業後に就職や起業する時には、キャリア発展と生活を楽しむことのバランスを取ることを好む傾向がある。そのため、彼らが都市を選ぶ時には、給料だけでなく、現地のイノベーション環境や文化・娯楽産業の発展などの状況にも注目している」との見方を示す。
新一線都市に向かう大学卒業生も増加中
フィンランドの4年制大学を卒業した後、帰国した成涛さんは、「一線都市はチャンスが多いものの、生活費も高い。日々の仕事のリズムも速く、上海で1年仕事した後、環境を変えてみたくなった」と話し、蘇州に移って暮らすことにしたという。そして、「上海よりも蘇州のほうが生活のリズムが心地よく、環境も好き。また、家賃なども含めて、生活費は上海よりも『お手頃』」と語る。
昨年発表された「2021中国留学帰国者就職調査報告」によると、新一線都市を選ぶ若者も増加している。2021年、新一線都市の企業に履歴書を送った留学帰国者の数は上昇カーブを描いた。
成涛さんは、「留学していた時の同級生の多くは成都や南京などで働いている。特に、理工科を卒業した人が従事する専門分野は、それらの都市で結構いい額の補助金を申請することができる」と話す。
自分の関心事が重要な要素に
また自分らしく生きることを追求する95後の留学帰国者も増えており、都市を選ぶ際、都市の発展のペースだけでなく、自分の関心事のことも考えるようになっている。
「2021中国留学帰国者就職調査報告」によると、留学生の「仕事の内容に興味があるか」、「仕事と生活のバランスを取れるか」、「通勤時間」の3つの要素に対する注目度はいずれも2020年より高かった。つまり、「興味があるか」が、留学帰国者が就職する際に考える重要な要素となっているのだ。
汪子寧さんによると、「留学し、同じ年に卒業した人の中には、雲南省大理市に定住して、文化クリエイティブ関係の仕事をしている人もいれば、海南省陵水黎(リー)族自治県で、民宿運営関連の仕事をしている人もいる」という。比較的「ニッチ」な都市を選んでいるということは、一部の若い留学帰国者には、自分の気持ちを大切にして、勇敢にチャレンジしようとする姿勢があることを側面から示している。
汪子寧さんは、「失敗コストが安いというのは、若者のメリットの一つだと思っている。『やってみたい』ことをすると、いろんな問題に直面するかもしれないが、チャレンジしたことでそれを後悔することはない」との見方を示した。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年12月1日