米のラブロマンス映画「タイタニック」が中国で今月3日から再上映されている。これは中国大陸部上映25周年を記念した再上映となっている。同作品は1998年4月3日に中国で初公開され、その後2012年4月10日にも3Dバージョンが公開されたため、今回の上映は3度目となる。
「タイタニック」が中国大陸部で初公開された1998年4月3日当時は、大勢の観客が映画館に詰めかけ、満員御礼となった。そして中国の歴代興行収入記録を塗り替え、1位の座を11年間にもわたってキープした。その後、2012年4月10日に3Dバージョンが公開された際にも、その興行収入は9億4600万元(1元は約19.3円)に達した。ただ、2012年の大ヒットと比べると、今回はそれほど話題になっておらず、ネットユーザーからは、「『思い出』を売りにした再上映は1度で十分。2度目の再上映はやりすぎ」との声も上がっている。
中国の映画市場では近年、リバイバル上映がブームとなっている。「タイタニック」のほか、中国では今月4日から、「名探偵コナン ベイカー街の亡霊」の復刻版が芸術電影放映聯盟の映画館で公開されており、11日からは中国全土の映画館で公開されることになっている。ただ、上映されるのは最新バージョンではなく、2002年の復刻版。「映画館でなつかしさに浸ることができる」という声のほか、「最近のコナンは以前ほどおもしろくない」という声も寄せられている。
またここ数年の間に、中国では宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」や「となりのトトロ」、「崖の上のポニョ」といった作品なども上映されてきた。1988年に公開された「となりのトトロ」は2018年に中国で上映され、興行収入が1億元に達した。2019年には、日本の歴代興行収入作品第1位を20年近くキープし続けている「千と千尋の神隠し」が中国で上映され、一挙に約5億元の興行収入を達成した。2020年には、「崖の上のポニョ」が中国で上映され、その興行収入は約2800万元だった。今年6月1日には宮崎監督の名作「天空の城ラピュタ」が再上映されることになっているが、興行収入の奇跡を起こすことができるかは、ふたを開けるまで分からない。
以前の大ヒット作の再上映については、賛否両論となっている。最新技術を駆使してバージョンアップしているだけで、そのコストは新作を製作するよりも安く、「インチキだ」との声も上がっている。しかし、ファンの立場から見てみると、再上映されるのは通常、口コミ評価の高い名作で、以前映画館で見られなかったファンがその作品を大スクリーンでじっくり楽しむまたとない機会となるのも事実だ。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年4月11日