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中国人民銀行報告書「現在の中国経済にデフレは生じていない」

人民網日本語版 2023年05月17日13:41

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中国人民銀行が15日に発表した報告書によると、現在の中国経済にデフレは生じていない。中長期的に見ると、中国経済の総需要と総供給の均衡がほぼ保たれ、金融環境は合理的かつ適度で、住民の期待は安定しており、長期的なデフレまたはインフレになる基礎条件はない。新華社が伝えた。

今年に入ってから、中国の物価の上昇幅は段階的に低下している。4月の全国消費者物価指数(CPI)は前年同月比0.1%上昇し、上昇幅は前月から0.6ポイント低下した。全国工業生産者工場出荷価格指数(PPI)は前月比0.5%低下し、前年同月比3.6%低下した。

同日発表された中国人民銀行の2023年第1四半期金融政策実施報告書によると、デフレとは主に物価のマイナス成長が続き、マネーサプライも減少傾向にあり、通常、景気後退を伴うことを指す。中国の物価は引き続き緩やかに上昇しており、特にコアCPIは前年同期比0.7%前後で安定しており、広義マネーサプライ(M2)と社会融資は比較的速く成長しており、経済運営は好転し続けており、デフレの特徴には合致していない。

報告書によると、第1四半期、中国の人民元貸付残高は10兆6000億元(1元は約19.5円)増加し、前年同期比で2兆2700億元増加した。3月末の人民元貸付、M2、社会融資のストックは前年同期比でそれぞれ11.8%、12.7%、10%増加した。

報告書は、今年に入ってから物価上昇率が段階的に低下しているのは、主に需給回復の時間差とベース効果に関係があるとした。実体経済の生産、分配、流通、消費などはもともとプロセスを経るものであるうえ、新型コロナウイルスのパンデミックによる「傷跡効果」がまだ消えておらず、住民の余剰貯蓄の消費への転換が所得分配の分化、所得期待の不安定性などの制約を受けており、特に自動車や家の内装などの大口消費需要が弱い。最近見られるローンの前倒し返済現象も、現在の消費に一定の影響を及ぼしている。

中国人民銀行の関係者によると、中国のCPIの段階的な低下現象はかつて何度も現れたが、マクロ経済運営の全体的動向への影響はいずれも顕著ではなかった。全般的に見て、経済が正常な成長傾向を維持すれば、CPIの段階的低下による影響は誇張されるべきではない。今年5月から7月にかけてのCPIは段階的な低水準で推移すると見られるが、ベースの低下に従い、特に政策効果がさらに現れ、市場メカニズムが十分に役割を果たし、経済の内生的原動力も強まり、需給ギャップも縮小傾向に転じると見られるため、CPIは下半期に緩やかに上昇し、年末には近年の平均水準近くまで回復する可能性がある。

報告書によると、次の段階において、中国人民銀行は引き続き穏健な金融政策を実施し、適度な総量と着実なペースを保ち、実体経済への支援の質と効果を高め、財政政策などとの協調・協力を強化し、需要拡大の相乗効果を形成し、経済運営の持続的好転を推進し、物価の基本的安定を維持していく。(編集NA)

「人民網日本語版」2023年5月17日

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