中国はこれから端午節(端午の節句、今年は6月22日)の連休を迎える。中国のオンライン旅行予約プラットフォームのQunar.Comが5日に発表した「2023年端午節連休旅行予測報告」によると、6月4日までのプラットフォームでの検索件数と事前予約件数をみると、今年の端午節連休の中国の旅行市場はメーデー連休の活発な勢いが続くことが予想されるという。中国新聞社が伝えた。
プラットフォームのデータによれば、端午節連休は3日間しかないため、旅行は近場の旅行や短距離の旅行が中心になる。各地をスムーズに結ぶ高速鉄道網や航空券価格の値下がりの影響により、大都市を取り巻く「2時間旅行圏」が旅行の新たなトレンドだ。たとえば北京を出発地とすると、北京・天津・河北の多くの都市に1時間で到着し、遼寧省朝陽市、山西省の大同市と陽泉市、山東省の徳州市と済南市などの都市にも2時間で到着する。上海市と杭州市から2時間の旅行圏には、江蘇省の南京市、南通市、塩城市、安徽省の宣城市、滁州市、馬鞍山市などが含まれる。広州市を出発して2時間以内で湖南省の衡陽市と郴州市、広西壮(チワン)族自治区梧州市などに行くことができる。
目的地の都市の選択では、北京、成都、上海、広州、武漢、長沙、重慶、西安などの人気旅行都市への注目度が高く、青島、威海、杭州、厦門(アモイ)などの沿海都市への注目度も大きく上昇している。鄭州、済南、成都、温州、福州などの都市は航空券価格が魅力的であることから、目的地に選ぶ人が多い。
旅行のコストは相対的に安い。メーデー連休に比べて、端午節連休の航空券の平均価格は20%近く安くなっている。事前予約件数を見ると、旅客数はメーデー連休に及ばないとみられ、人気の高い観光都市を除けば、大半の都市は「お金のあまりかからない、混まない」連休を迎えることが予想される。
旅客層を見ると、若者が中心だ。プラットフォームのビッグデータからわかるのは、メーデー連休に比べて端午節連休は若者の割合がより高いことだ。この中にはメーデー連休に旅行に行けなかった人もいれば、中国大学統一入学試験(通称「高考」)を終えて卒業旅行に出かける高校生もいる。Qunarビッグデータ研究院の肖鵬研究員は、「若者の端午節連休旅行の計画で重要なポイントは『近距離、出費が少ない、混まない、あまり値上がりしない、快適なホテル、おいしいものをたくさん食べること』だが、こうしたハードウェア的な指標だけでなく、旅行先の市場の公平性や透明性、都市のマナーレベルや観光客受け入れ状況など、『人』に関わるソフトウェア的な指標も、若い旅客の意思決定に影響を与える」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2023年6月6日