中国大学統一入学試験(通称「高考」)が今月7日から始まった。中国全土では過去最多となる計1291万人の受験生が試験会場に向かった。中国新聞網が報じた。
試験会場に入場するために列に並ぶ受験生(資料写真、撮影・殷立勤)。
試験会場の秩序保つため、各地で万全の対策
今年、高考の各会場ではスマホを使ったカンニング対策を特に重視し、多くの会場で初めてスマートセキュリティゲートが導入された。
例えば、浙江省の高考の試験用紙は、専任スタッフと専用車が輸送し、その全過程を監視カメラで監視している。また、試験会場の各場所にも、全方位監視カメラが設置されている。試験に関わる全てのスタッフは、事前にトレーニングを受け、審査もクリアしている。全ての試験会場で、標準化管理が実施され、スマートセキュリティゲート、5G電波妨害装置、金属探知機などが設置・導入されているほか、監視カメラをチェックする専用の部屋やスタッフも配置している。試験期間中、電波監視デバイスも活用し、試験会場周辺から疑わしい電波が出ていないかパトロールし、各種ハイテク機器を使った不正を防止する対策を講じている。
新型コロナウイルス対策に関しては、多くの省の教育・試験機関は、「通常、一般試験入場後、マスクを着用するかは、受験生が自分で決めることができる」としている。また、多くの地域が、「受験生が新型コロナウイルスに感染したり、それに似た症状が出たりしている場合、すぐに学校や現地の試験機関に報告すれば、予備の試験会場、または緊急時用試験会場で受験することができる」と発表している。
夜遅くまで電気が灯り、受験生が勉強する教室(撮影・何蓬磊)。
受験生が集中できるよう「マナーモード」に入る各地
山東省淄博市の串焼きバーベキュー協会は、各串焼きバーベキュー店に対して、「高考期間中は、一時休業し、受験生のために全力で静かな環境づくりをしてほしい」と要請している。
2023年の高考前日、赤い風船を使って合格祈願する長沙市の高校3年生(撮影・楊華峰)。
また、高考期間中、試験会場に向かう受験生が渋滞や混雑に巻き込まれないよう、遼寧省瀋陽市や湖南省漣源市、湖北省黄石市、恩施市、鄂州市などは、各政府機関、企業・事業機関の職員に対して、ラッシュ時間帯を避けるために、通勤時間を調整するように要請している。
湖北省襄陽市は、一部の試験会場周辺の小学校に対して、高考期間中は臨時休校とするように登校スケジュールを調整するほか、定期的に流されるチャイムや体操の音楽などのスイッチを切るよう要請している。
また多くの地域が「高考」を対象としたボランティア活動を計画している。例えば、天津は、ボランティア活動「高考緊急時サービス車両」を実施。タクシー60台が、試験会場30ヶ所に待機している。合肥市は青年ボランティア約1000人が、受験生の送迎、試験会場の駐車場確保、保護者の暑さ対策、振り込め詐欺の注意喚起PRといったサービスを展開するよう手配している。
さらに多くの地域が「マナーモード」に入っており、試験会場周辺での公共バスのクラクションを禁止したり、バス停への到着時の車内放送が外に漏れないように調整したりしているほか、工事や騒音が発生する屋外での娯楽、広場ダンス、集会、商業宣伝なども禁止している。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年6月7日