鉄板で焼いた松茸。
雲南省ではこの時期になると雨が降るたびに、キノコの香りがほんのり漂う。世界には食用の野生キノコが約2500種類あり、雲南省にはそのうち世界の36%、中国全土で約90%を占める約900種類が生育している。中国新聞社が報じた。
キノコが美味しい季節が到来!
今月6日、雲南省木水花野生キノコ交易センターに足を運ぶと、各地から運ばれてくる野生キノコの種類が増えており、同省には年に一度の「キノコの季節」が到来していることが分かった。
同センターの成愛麗総経理は、「ここ数日、一日に入荷する野生キノコが約20トンに達している。夜の取引量は10トン以上に達している」と説明する。
今月5日午前、同センターに足を運ぶと、入口付近で数日前より賑やかになっていた。中に入ると、野生キノコの香りが市場中に漂っていた。
センターには多くのキノコ販売業者のほか、ライブコマースのパーソナリティも少なくなかった。パーソナリティたちはスタンドやスマホを使って、ライブ配信を通して、雲南省の野生キノコを紹介、販売していた。
キノコをすぐに発送できるようにと、宅配便大手・順豊速運は野生キノコ市場内に営業所を設置している。雨季が到来するにつれて、野生キノコが増え、発送される荷物も増えている。昨年は宅配物が最も多い時期には、市場内の順豊の配達員が60-70人にも達し、他の宅配企業の配達員も忙しく立ち働いていたという。
昆明市官渡区に位置する木水花市場は、世界最大規模の野生キノコ取引市場で、1年を通してキノコの取引を24時間行い、キノコの種類が最も多く、品質が最も高い。その取引量は雲南省の90%、中国全土の70%を占めている。市場内の事業者は1200軒以上で、雲南各自治州・市、貴州省、四川省、重慶市といった地域、ひいては海外からバイヤーがやって来る。取り引きされている食用キノコは約260種類で、2022年の取引額は77億8400万円元(1元は約19.6円)以上に達した。
雲南が「野生キノコマジカルシーズン」に突入
キノコを食べる場合は「キノコの種類」を熟知し、必ずしっかり火を通してから食べるほか、病院の場所も「熟知」しておかなければならないと言われている。
美味しいキノコであるものの、リスクも少なくないからだ。雲南省中毒臨床救治基地の統計によると、雲南省では、1年を通して、野生キノコを食べて食中毒になる人がいる。報告されている食中毒の83.41%、中毒症状発症者の80.87%が6-8月に集中している。同拠点は2022年、食中毒患者617人を治療し、うち404人が幻覚症状を起こしていた。毎年、野生キノコが出荷される季節は、ネットユーザーの間で、「野生キノコマジカルシーズン」や「毒見大会」などと称されている。
中国には既知の有毒な野生キノコが500種類以上あり、うち約200種類が雲南省に生育している。うち約20種類は極めて毒性が高い。よく知らない野生キノコは口にしないようにし、野生キノコを調理する際は生食は避け、バーベキューのような調理法も避けたほうがいい。食べる場合は、しっかり炒めたり、煮込んだりしなければならず、食べながらお酒を飲むのも控えたほうがいい。野生キノコを食べた後に、吐き気、おう吐、腹痛、下痢、幻覚症状など食中毒とみられる症状が起きた場合は、すぐに病院に行くようにしよう。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年6月9日