习专栏

海外へと販路広げる浙江省のローカルフード「縉雲焼餅」

人民網日本語版 2023年07月04日13:53

「桶餅」とも呼ばれる「縉雲焼餅」は、浙江省麗水市縉雲県の伝統的な軽食で、650 年以上の歴史を誇る。焼餅(シャオビン)は、こねて発酵させた小麦粉の生地に油や塩などを混ぜて円形や四角形にして焼いたものだ。縉雲県で生まれたローカルフードの「縉雲焼餅」は今、世界で販売されるようになり、カナダやイタリア・ミラノでも店舗が展開されるようになっている。中国新聞網が報じた。

浙江省の中南部に位置する麗水市縉雲県は、温暖で湿度が高い気候で、雨がよく降り、森林率が高く、自然環境に非常に恵まれている。地元の人々は純朴で、物産が豊かだ。

縉雲焼餅

縉雲焼餅

縉雲焼餅は、一見すると特に変わったところはないが、実際には、材料や作り方に非常にこだわりがある。まず、小麦粉をこねて、4-6時間かけて発酵させる。気温や季節によって配合や発酵時間を変え、生地の食感を一定にしている。

具材や火加減もおいしい縉雲焼餅を作るカギとなる。一般的な焼餅には様々な具を入れるのに対して、縉雲焼餅の中に入れる具は主に豚肉と縉雲菜干(漬物)だ。

縉雲県の菜干は他の地域のものと違って、塩漬け、発酵、複数回のタレ漬け、天日干しなどの工程を経て作られる。こうして作った縉雲菜干と豚肉を程よい割合で混ぜ、ネギや粉トウガラシを適量加え、麦芽糖とゴマを少しかけて焼き上げると、最高に香ばしい縉雲焼餅が出来上がる。

16ヶ国・地域で展開する「縉雲焼餅」の店

現地のお年寄りによると、昔はてんびん棒の両側に桶を吊るした売り子が縉雲焼餅を売り歩いていたという。売り子たちは芝居の一座と一緒に移動し、芝居を見るために集まっている人たちを相手に縉雲焼餅を売っていたのだという。

それが今や、縉雲焼餅は単なる食べ物であるだけでなく、その制作工程が匠の技となり、無形文化遺産にまで指定されるようになった。そして、道端で売られるローカルフードから、中国全土、ひいては世界で販売される「大産業」へと発展している。

焼餅協会によると、縉雲県では2014年に「焼餅弁公室」(縉雲焼餅ブランディング指導グループ及びその弁公室)が設置され、焼餅産業の発展を専門にサポートするようになった。

イベント参加のためイタリアを訪れた縉雲焼餅のスタッフたち。

イベント参加のためイタリアを訪れた縉雲焼餅のスタッフたち。

この小さな焼餅が、縉雲県の人々の間に起業とイノベーションのブームを巻き起こした。2022年末の時点で、縉雲焼餅の生産高は30億2000万元(1元は約19.9円)、従事者の数は2万4000人に達した。そして、中国全土で8000店舗以上が展開されているほか、米国やイタリア、スペイン、オーストラリア、アラブ首長国連邦を含む16ヶ国・地域でも店舗が展開されている。海外市場に適応すべく、「郷に入っては郷に従え」で、オーストラリアでは魚などの魚介類を使って焼餅の具材を改良し、ミラノではピザ風焼餅を打ち出している。

縉雲焼餅は近年、地理的表示の証明商標や欧州連合(EU)商標を取得したほか、「全国農村特色食品」、「中華名軽食」といった栄誉称号も次々と獲得している。 さらに、縉雲焼餅の制作技術は2021年、中国国家級無形文化遺産にも指定された。(編集KN)

「人民網日本語版」2023年7月4日

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