第50回台湾金馬奨の最優秀作品賞に「バ媽不在家」
中華圏を代表する台湾の映画賞・第50回金馬奨の授賞式が24日夜、台北市で行われた。シンガポールの陳哲芸(アンソニー・チェン)監督(29)の処女作「バ媽不在家 (Ilo Ilo) 」が最優秀作品賞や最優秀オリジナル脚本賞、PIAGET最優秀オリジナル脚本賞に輝いただけでなく、陳監督が最優秀新人監督賞を、出演した楊雁雁(ヤオ・ヤンヤン)が最優秀助演女優賞を受賞するなど、5項目で賞を受賞した。北京日報が報じた。
1997年、アジア通貨危機の影響下にあるシンガポールで、フィリピン人のテレサが住み込みのメイドとしてある家庭に雇われ、その家庭の息子と家族にも似た関係を築く様子を描く同作品は、生活感にあふれている。審査員長を務めた台湾の巨匠・李安(アン・リー)監督は、「同作品はとても純粋で、技術もすばらしい。監督は金馬電影学院出身だが、このような技術をどこで学んだのかと感じるほど、力みがなかった。同作品を見ていると心配事も忘れてしまう」と評価した。
金馬奨の中で、最も価値ある賞が同作品に授与された最大の意義に関して、映画評論家は、シンガポール映画に自信を注ぎ込んだことやシンガポールの文芸作品が中国語映画圏で評価を受けるようになったこと、さらに、これにより中国語映画の歴史に新たな1ページが加わったことを挙げている。