「湿気」が生み出した独特の日本文化 (2)
西洋文化は自然を人類と対立するものととらえ、自然を征服することを文化の本質とした。しかし日本人は自然を肯定し、自然を自らの生活の中に取り入れる方法を考えた。雲、霞、露はいずれも湿気から生み出されたものであり、生活のほかにも、文学や芸術において好んで描かれる風景だ。
日本人は湿気のなかで、それを精神の拠り所として暮らしている。湿気を利用し、予防する豊かな自然の智慧を有している。和服の袖口は広く、通気性がある。女性と子どもの和服の脇下には開いた切り目があり、「身八口(みやつぐち)」とよばれる---。この通気用の切れ目は、世界的にも唯一の衣服にある通気穴だ。また家屋の天井の上には「屋根裏」がある。家屋の基礎も高く、これによって湿気を逃している。屋内の上下には通気層があり、湿気を取り込むと同時に、排出している。障子は湿気に対して微妙な吸水作用がある。湿気が増すと、きめ細かな和紙が外気を遮断する。室内が過度に乾燥していれば、屋外の湿気を自然に取り込む。雪が降れば窓を閉め、火鉢に炭火をおこすと、熱気は逃れない。室内の温かさが保たれ、一酸化炭素は紙の隙間から排出される。これは和紙でなければならず、西洋紙では役に立たない。
湿気文化は、日本人の生活のすみずみにまで浸透しているだけでなく、日本の政治にも影響を与えている。1999年8月、日本の国会で「国旗国歌法」が公布され、国歌に「君が代」が定められた。「君主御世」とも訳されるこの曲の歌詞には「古今和歌集」の和歌が納められている。大意は、「君が代は、千代に八千代に、さざれ石の、巌となりて、苔のむすまで」---「苔のむすまで」のごとく、天皇家が万代一系に続くことを讃えている。(編集HT)
「人民網日本語版」2013年8月22日